独立FPの独白ブログ

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■25年飽きないジャズアルバム


インタープレイ・ナウ(紙ジャケット仕様)

インタープレイ・ナウ(紙ジャケット仕様)


ピアニスト山本剛は知る人ぞ知る日本ジャズ界のトッププレイヤー、「日本人にしか出せない乗り」と言えそうな独特のスイング感は聞くたびに感嘆するばかりです。私の好きなジャズピアニストベスト3は、山下洋輔、チックコリア、そしてこのひと山本剛さんであります。思い起こせば、あまりライブに行かない私が一応この3人についてはライブを経験していますから、大好きと公言する資格はあるでしょう。(最近はビル・エバンスがチックコリアとほぼ同列か)


今はなき「銀座サテンドール」というジャズクラブで、新婚当時妻と二人ウイスキーを頂きながら体験した山本剛トリオのライブは今も忘れられない素敵な思い出です。懐かしい!!そのライブの際に図々しくもリクエストした曲が「アイ・ウイル・ウエイト・フォー・ユウ」(映画『シェルブールの雨傘』主題歌)でした。(演ってくれました!)
あまりジャズのスタンダードとも言えそうにないこの曲をリクエストした理由は、当時私が強烈に魅了された1枚のアルバムの4曲目にこれがあったからでした。


水橋孝のベース、山本剛のピアノのみで展開する演奏時間6分強のこの録音は、私の心をガツンとワシ掴みにし、初めから終わりまで全てのフレーズが口ずさめるようになるまでに聞き込みました。更に、どうしてもこの曲を自分で弾いてみたいという思いを抑えきれず、当時まだまだ普及品になっていなかった「電子ピアノ」(8万円ほどのコルグ製)まで買ってしまいました。B面1曲目のこの曲によって私の一生物となったアルバムは「水橋孝〜今田勝〜山本剛/インタープレイ・ナウ」というツインピアノのスタンダードジャズ・アルバムです。


ホントにコロリコロリとよくスイングするピアノの山本剛と、当時すでにかなりの大御所的存在であったピアニスト今田勝との絡み合いを水橋孝という骨太(?)ベーシストが演出し、引き立てています。日本のジャズファンなら必聴といいたいこのアルバムは、どういうわけか長いことCD化されませんでしたが、ようやく今年になって発売されました。25年前の音源にして2310円という価格は決してお安くないと思われますが、当時の趣そのままの紙ジャケット仕様のこのCDは、擦り切れる心配の無い一生モノコレクションとして何度も何度も再生されることになるのは必至です。


この曲のほか、今田ピアノでのトリオ曲、山本ピアノでのトリオ曲、そしてベース、ドラム、&2台のピアノの(つまり全員)セッションによる「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」など、楽しい演奏ばかりです。ジャズは決して欧米の特産品ではありません。民謡や演歌などに見られるコブシとかエンヤトットの乗りなどとジャズのスイングとは非常に関係の深いものがあるように思います。
理論的なことは一切分かりませんが、「日本っぽい」ジャズが堪能できる稀有なアルバムなのではと思うのです。お勧めです。