独立FPの独白ブログ

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■確かにキツイ国民生活

「今楽しむ」より「将来に備え」 20代で5割超
 内閣府が8日に発表した「国民生活に関する世論調査」で、日常生活で「悩みや不安を感じている」人は過去最高の69・5%に達した。
 毎日の生活を楽しむより、貯蓄や投資など将来に備えると回答した20歳代の若者が23年ぶりに5割を超えた。内閣府は「年金記録漏れ問題などをきっかけに、将来への不安が高まっている」と分析している。
 悩みや不安の内容(複数回答)は、「老後の生活設計」が53・7%で最も多かった。
 今後の生活で、「貯蓄や投資など将来に備える」か、「毎日の生活を充実させて楽しむ」かを聞いたところ、全体では「生活を楽しむ」が過去最高の60・5%で、「将来に備える」は30・2%だった。しかし、20歳代は「将来に備える」が前回調査より9・2ポイント増の52・5%、30歳代も4・5ポイント増の51・6%で、若年層では大幅に増えた。
(2007年9月10日 読売新聞)


そもそもこのような調査にきちんと回答した人というのは、非常に生真面目な人なのであって、従って将来についても昨今話題となっている年金の諸問題なども考慮に入れ、どうしても不安であると答える傾向が強いのではないかと私は思ったのですが、それを言い始めたら、調査などなにも当てにならんと言うことになってしまうでしょうね。
まあそれはいいのですが、保険に携わる者にとっては、実はこの調査結果はさほど驚くことではありません。何年も前から、多くの人が老後への不安を感じるといつも答えていたからです。


ちょっと興味がわいたので内閣府のHPでこの調査結果を覗いてみました。
バブル経済真っ盛りの平成元年と今年とで一部の結果を比べてみました。生活に不安を感じる人のその不安の中味について老後の不安と答えたのは平成元年で36.7%、今年は53.7%でやはりかなり増加傾向です。しかし、ニュースで報じているように、将来に備えるよりも現在の生活を充実させるとの回答が60%と多いのが面白いですね。これはおそらく若年層が遠い将来に漠然と不安に思っているのに対し、高齢層は自分たちはなんとか乗り切れそうだと思っているのだろうかと思うと、今後の世代間の軋轢を予想してしまいます。


また、今の自由時間を減らしてでも収入を増やしたいかとの問いにイエスと答えた割合が平成元年には23%であったのに対し、今年の結果は45%と倍増していることは景気の悪さをはっきりと表しているようです。
あまり当てにならないと思われるこうした調査ですが、やはり社会情勢があまりに大きく変動した場合には時代を反映するもののようです。


それにしても、内閣府というお役所のこの調査、「だから何なの?」の疑問がどうしても残ります。何なのでしょう?