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独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■ニュースとの付き合い方

自民、小泉路線の修正加速・「変節」批判も
 郵政民営化に反対して自民党を離党した無所属の平沼赳夫氏の復党が固まるなど、同党内で小泉純一郎前首相の構造改革路線を修正する動きが加速し始めた。参院選惨敗を受け路線転換のメッセージを発信しなければ、次期衆院選も苦戦しかねないとの判断だ。地方重視の姿勢もその一環だが、構造改革路線の転換は「変節」との批判も招きかねず、損得勘定は不透明だ。(7日日経)


この記事には今後の日本の方向性に関するものすごく重大なことが書かれていると思うのですが、このような重大かつ複雑な問題をたったの200文字程度で表すことはまず不可能です。
郵政の民営化が本当に構造改革なのか、小泉政権の改革の本当の目的は何だったのか、ぶっ壊した利権の新たな権益者は誰なのか、アメリカ属国化を急速に進めたことは本当に日本の国益になったのか、平沼氏は何故郵政民営化に反対したのか、そして、この記事のような改革路線の転換とは何なのか。
これらすべての項目について、的確な説明がなされていなければ、この記事の本質は理解できないのではないでしょうか。


小泉政権で改革を進めた結果、所得格差が拡大し、地方が疲弊し、日本全体がぎすぎすし始めたところに、年金の問題が大噴出してきたため、改革をちょっとストップしてでも我々の生活基盤についてちゃんとやってくれと国民が思い始めている、というだから路線転換しなければまた選挙に負けると自民党が判断した、というのがこの記事の主張のようです。


2年前には「民営化か後戻りか、どっちだ?」と問いかけられて「郵政民営化支持」に流れたその国民が、そして1年前には「安倍総理万歳」と叫んで80%超の異常な支持率を見せたその同じ国民が、今は構造改革路線の修正を望んでいる。といようにこの記事は読めますが、本当にそうなのでしょうか?


改革推進に水を差す者には造反者のレッテルが貼られたり、郵政法案の影に多くの給付削減法案が隠れてしまったり、総裁選が中味を伴わない人気投票に成り下がったり、本質的な政策論議よりもスキャンダルが優先されたりしているような異常な現状の大きな要因は、「マスコミの態度」ではないかと思うのです。


新聞記事は基本的にブツ切れの単独情報ですから、その日のその記事のみが一人歩きする可能性があります。
例えばある出来事が数ヶ月の間に1→2→3→4→5→6という段階を踏んで起きたとして、たまたま5と6だけを読んだ読者と1と3と6を読んだ読者、すべて読んでいる読者とでは、この出来事の理解度はまったく違ってしまうこともあるでしょう。


また、テレビの情報バラエティ番組でしかニュース報道に触れることのない人もいるでしょうし、グーグルニュースをざっと見るだけの人もいるでしょうし、新聞など読んだことも無いという人もいるかも知れません。そして、恐ろしいことに、どんなに毎日ニュースや新聞をチェックしていたとしても、新聞にも書かれず、TVのニュースでも触れられていない、「重大な出来事」が世の中では数多く勃発しつつ葬り去られているはずなのです。


この短い新聞記事を読んで情報というものの怖さを思い出したのでした。
マスコミと自分との関係性について、時々醒めた頭で考えてみる必要があるのではないでしょうか