独立FPの独白ブログ

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■おきざりにされた日本人

★中国残留孤児訴訟 終結見通し
中国残留孤児の人たちおよそ2200人が国に賠償を求めている裁判で、全国の原告団と弁護団は、自民・公明両党の作業チームが示した、生活保護に代わる給付金制度の創設などを柱とした新たな支援策を受け入れる方針を固めました。これによって、日本に帰国した孤児の90%近くが窮状を訴えて起こした裁判は終結する見通しとなりました。(7月8日 18時11分 NHK)


選挙前というタイミングで決着を急がせる動きがあったのかなどと邪推をしたりするものの、原告側の人たちも「良かった」と喜んでおられるようなので、ひとまずは大変良いニュースと言えそうです。(それにしてもNHKは近頃やはり政府広報っぽいです。)
しかしながら、中国残留日本人孤児の問題に触れるたびに、あらためて戦争の後遺症の恐ろしさを思い起こしてはため息の出るばかりです。


中国残留孤児が生まれた経緯については先日紹介した「ソ連が満州に侵攻した夏」にも詳しく書かれています。
敗戦濃厚となった終戦直前期に満州にいた軍人、役人、官僚たちは我先にと家族を引き連れて満州を脱出したものが多く、民間人は情報入手も遅れ、気づいて逃げようとしてもエリートたちで満席の列車に乗ることが出来ず置き去りにされたなどという忌まわしくも恐ろしい話しが紹介されています。


そんなことで逃げ遅れ、命からがら各地に散って生き延びた残留孤児の人たちは、何十年もの時を経てようやく祖国日本に帰国したものの、いきなりの移住で大変な苦労を強いられ、今回の補償の獲得でなんとか一安心したわけです。
自分の国に置き去りにされたことで長年にわたる苦労を強いられた彼らですが、それでも、まだ生きていただけ幸せだった、ということのようなのです。


「御国は俺たち死んだとて、きっとあとまで残りますよね。失礼しましたで終わるだけ・・・・」これが戦争の真実です。