独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■日本の「プロ」は絶滅種?


日本では本当のプロがドンドンいなくなっている、と思いませんか?


原始時代のように自分たちで食料を見つけては採ってきて食べていたのと違って、現代では遠い地で赤の他人が採ってくれた食べ物をこれまた知らない人が加工などしてくれて、それを代金と引き換えに食料として得ている、この行為が完全に日常のものとなっている訳です。


我々がこのやり方で普通に暮らしてゆくためには、言うまでも無く見知らぬ者どうしの「信頼関係」が成立していることが大前提なのであって、その信頼に関しては日頃から「いちいち確認はしないで済ませている」わけですね。この信頼関係の安定性が崩れてしまっては、もはや通常の社会生活が営めません。


日頃からごく普通に食べている食肉でミートホープ社の偽装ミンチのようなことが起きることは、思えば社会の根幹を揺るがしかねない非常に恐ろしいことです。それなのに、ありとあらゆるインチキ製法を実行していたらしい当該会長いわく、「他社を真似ただけ」と発言したということですから、まあどうしましょうという感じです。


先日も書きましたが、お肉屋さん業界の一部には昔からある程度の偽装が存在し、それが実は連綿と行われ続けてきているのではないかとの疑念を私はどうしても捨てられません。
今のところ沈黙している多くの大手食肉メーカーさんはいつ「安全宣言」をしてくれるのでしょうか? 大手を振って安全宣言ができない事情があるのでは・・・と不安になりませんか?


それにしてもです・・・
「このくらいなら分からないだろう」とか
「少々混じったところで実際問題変わらないだろう」
というような発想は、食肉を自分の商売のネタとして利用しているだけの単なる商売人であればこそであり、食肉のプロ、本当の肉の職人であったら、絶対にあり得ない浅はかな発想です。
「プロの肉屋さん」と「肉を扱う商売人」とはまったくの別業種だと言いたいのです。


何かを安く仕入れて来て、誰かに高く売りつける、うまく儲けが出るようにと色々工夫はするのでしょうが、要はただそれだけのこと。自分の知識や経験を積み上げて努力して磨き上げた技量によって良い商品を作り、その付加価値で儲けを生み出そうという考え方が本来のプロの発想でしょう。そういう自分の商品、自分の仕事についての気概といったものがまるっきり感じられないような出来事ばかりが最近は目に入ってきます。


「何かを右から左へと動かすだけでざくざく儲かってしまうこと」
こういうのを商才なのだと勘違いしているらしい「軽〜い系」の新人類経営者が次々と世に出ては消えているバブル後の日本では、あらゆる分野で毎日のようにプロが消え続けているのではないでしょうか。


日本のプロフェッショナルを絶滅品種にしないようにするにはどうすれば良いのか? 
私はいつも言っているのですが、「良いお店は良いお客の数で決まり」ます。
出来る限りの情報を仕入れる努力をし、良いものを見分ける眼と耳と舌と感性を磨き、良い友をつくり、良いものだけを選んで買うというスタンスを持ちましょう。優れた消費者の厳しい基準による選別がなければ良い商品が生き残りません。


これは全ての業界、すべての分野で言えることだと思うのです。
賢い消費者が社会を救います!!これしか無いと思います。