- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/10/06
- メディア: DVD
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映画は総合芸術だと言われます。脚本、キャスティング、プロット、演出、演技、音声、撮影、編集とそれぞれのステップのプロの力の結集で良い映画が出来るのだと思います。
しかし、俳優の魅力がほとんど決め手になっているという映画が時々出来上がるものらしいですね。脚本がすばらしく、映像が優れていても、俳優の魅力が引き出されていなければ、なかなか良い作品は生まれないでしょう。
ジーン・ハックマン&アル・パチーノの出世作ともなったらしい「スケアクロウ」はまさに俳優の魅力に満ちた映画ではないでしょうか。俳優の魅力を最大限に引き出したと言うべきなのかも知れませんが、そのあたりはともかく、久々にいい映画だなあと思える映画でしたし、最近集中して観た何本かの映画(DVD)の中で、私としてはピカイチの作品という印象です。
泣かせる、笑わせる、びっくりさせる、ホッとさせる、しみじみとさせる、それらすべての場面の演出が地味すぎず派手すぎず、適度な抑揚をもって嫌味がなく、最後には心洗われる想いが残る楽しい映画でありました。
また、アメリカという栄光の超大国が初めて深い挫折を経験したと言えそうなベトナム戦争末期に公開されたハリウッド映画でもあり、人間の心の深いところに何かを届ける効果がある作品なのでしょうか。
私の好みとして「道中物」「ロードムービー」的な物に惹かれる傾向があることを差し引いたとしても、この映画は見るものそれぞれの感性に対してそれなりのインパクトを残す作品なのではないでしょうか。
今では超大物俳優となった二人の個性のぶつかり合いは必見と言えそうです。人間って捨てたものじゃあない、と感じたい人にお勧めですね。