独立FPの独白ブログ

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■普通の金利とは?


今日は二つのニュースを並べてみます。

★欧州中銀、4%に利上げ・6年ぶりの高水準に 【フランクフルト発】
欧州中央銀行(ECB)は6日の定例理事会でユーロ圏13カ国に用いる政策金利を0.25%引き上げることを決めた。利上げは3月以来3カ月ぶり。最も重要な市場調節金利は年4.0%と、2001年8月以来、約6年ぶりの高い水準となる。新金利は13日から適用する。ECBは賃金や物価の上昇圧力はなお強いと分析しており、景気拡大の勢い次第では、さらなる利上げも検討する見通しだ。

もうひとつは・・・

★利上げ「必要に応じて」・日銀総裁【東京発】 
日銀の福井俊彦総裁は29日の参院財政金融委員会で、経済協力開発機構OECD)が日銀はデフレ脱却まで利上げすべきでないと指摘したことについて「望ましい蓋然(がいぜん)性のシナリオを持つことができれば、それを実現できるような金融政策を必要なタイミングでやっていく」と述べた。


基準金利についてのヨーロッパと日本のふたつのニュースをどう思いますか?


最近、FP相談などで運用利回りや金利の話題に触れる際に気になることがあります。それは、一般消費者の皆さんはここ10数年にわたる日本の異常な【超】低金利状況に慣れてしまっているようだということです。
変額保険や株式投資信託などのリスク商品では元本保証や利率保証が無いのは当然のことですが、それでもどのくらいの収益率を見込めるのか、その可能性を過去のデータから類推して試算してみることはあります。


そういうときに「過去50年のデータ上で債券運用では年間収益率4〜6%であるとか、株式運用での平均値は12〜13%である」というようなことをお話しすると非常にびっくりされたり、人によっては疑いの表情が浮かんだりするのです。
そこで私は、「例えば元本割れリスクがかなり低いアメリカ国債での運用でさえ現時点で4.5%から5%程度の収益率が実現している」とお話します。「銀行預金金利は1%未満が普通」「国債は結構良くなってきているがそれでも1%程度」というように日本だけの異常な【超】低金利状況を普遍的なものの如くに勘違いしている人が、特にバブル崩壊後前後以降に社会人となった世代には多いような気がします。


非常に低い金利に長期資金を預けることは、それ自体が資産を目減りさせてしまうというリスクを負っていることになります。今このときに確定金利商品による長期資金運用はご法度とすら私は考えますが(何もしないほうがモア・ベター)、0.5%程度の金利が普通と感じてしまっている人にとっては1%でも「まずまず」などと思ってしまうこともあるのでしょう。
1%などという低金利の運用では、「ごく普通のインフレ」が続けば資産の相対価値は目減りします。金利や運用利回りについてはどうか冷静に、長期的な視点で見てほしいと思うのです。


そこで、本年5月時点の先進国の基準金利を挙げておきますので、日本が普通だと思っておられる方は、これを見てビックリしてください。

  • アメリカ:5.25%
  • ユーロ :3.75% (ニュースではこれが4%になるようです)
  • オーストラリア:6.25%
  • ニュージーランド:7.75%
  • イギリス:5.50%


-日本 :0.75%

だから、みなさん、外貨預金をしましょう、という話ではありませんよ。
為替リスクのある外貨預金については、これはまた別の話しです。
ただ、このような金利の差を顧客に見せて、「ですから外貨預金をしましょうよ」と当の銀行がセールスをしているという、日本はそういう異常な国であるということを言いたかったのです。ホントに意味分かりません!!