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独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■年金問題の本質(2)

年金特例法案を強行可決 与党、31日衆院通過へ
 社会保険庁管理の年金記録の不備により年金に不足がある受給者が、本来の支給額を受け取れるようにする「年金時効撤廃特例法案」が30日夕の衆院厚生労働委員会で自民、公明の与党の賛成多数で可決された。法案内容、審議とも不十分として反対する野党を押し切り、与党が約5時間の審議で採決を強行した。 与党は31日の衆院本会議で、社会保険庁改革関連法案とともに可決、参院に送付する方針。
 政府は特例法案採決に先立ち、約5000万件に上る該当者不明の年金記録の受給者との照合作業を1年程度で終えるとの方針を発表した。政府、与党には一連の対策を矢継ぎ早に打ち出すことで、7月の参院選を有利に進めたいとの思惑があるとみられる。(30日 東京新聞

この議員立法は、小泉流のポピュリズム政治が政府側にとって一定の成果を生んで以来、何かといえば「どう聞こえるか、どのように映るか、どんなイメージを残せるか」という基準で政策の優先順位が決まっているということの現れと感じます。


もらい損ねていた年金が受け取れる道を開く、当然国民にはありがたい話です。
しかしです、よく考えればこれはごくごく当たりまえ、当然のことであり、なにも法律にするまでもなく、払うべきものを払う努力をするべきだという話なのではないかと思います。
政府がこの問題を政権与党の点数稼ぎに利用しようと考えているのは明白ですよね。


政府はこんな具合で年金問題を政治利用しているし、社会保険庁も(前回書いたように)それなりに組織の生き残りを掛けて頑張っているようです。
それでは年金保険料を収め、老後の生活の基礎を年金に求めようとする国民のほうはどうでしょうか。
私の目には年金問題の本質を理解して、本当に心から怒っている人達はまだまだほんの一握りに過ぎないように思えてなりません。


そもそも、年金問題の本質はその財源確保と給付配分の適正化、資金の透明性とそして健全な長期的制度運営の実現であるはずです。年金積立金や郵貯・簡保資金を含めた「財政投融資」の不透明な資金流出、年金資金として不適切な無駄な資金垂れ流しの実態をキチンと白日の下に晒し、今後はこうした「国民の財産の横流し」が行われないようにすることこそが最大の課題だったはずなのです。


一昨年からの年金未加入問題にしても、今回の大量不明年金問題にしても大きな問題ではあるとしても、「年金の裏金化」問題についての論争が一向に見られないのはどうした訳なんでしょうか?  私には全く理解ができません。
国の制度を利用して裏金を作ってはばら撒く相手が地元土建業界であるのか、あるいはブッシュ・ネオコン政権ご推薦の米国企業グループであるのかという違いはあっても、基本的に相変わらずの利権政治を基礎においた政権がこれからも続くのであれば、我々の大事な年金の積立金が何に遣われるのかを監視することはかなり難しいでしょう。


裏金は「ウラで作りウラで回す」から裏金なのです。その実態の究明をオモテでいくら迫ったところで当の本人たちが「説明責任」など果たせるわけがありません。言える筈がありません。
政治にウラがつきものであるらしいことは私にも最近分かってきましたし、全てオモテで展開などしていてはそもそも政治も外交も成り立たないのでしょう。


でもしかしバット・・です、高齢化がもたらす問題がどんどん積み上がってゆく今後の日本では、年金資金はウラに回してもらっては困るんです。
年金の問題は「収入の問題」と「支出の問題」を同時に考えなければ一向に先には進まないのではないでしょうか。「不正不払い」だけに目を奪われること無く、「不正な資金流用」を問題にしましょう。


年金の本質的な問題を、本当にいい加減に何とかしないと、我々の老後はお先マックラケです。