独立FPの独白ブログ

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■年金問題の本質(1)

与党、29日に衆院通過方針 社保庁法案、野党は反対・・・・
安倍晋三首相が今国会の重要法案の一つに位置付ける社会保険庁改革関連法案をめぐり、自民、公明の与党は28日夕の衆院議院運営委員会理事会で29日に本会議を開き、同法案を採決することを提案した。民主党など野党は反対し、柳沢伯夫厚生労働相不信任決議案を提出するなどして抵抗する構え。(28日東京新聞


年金の問題は7月の国政選挙の争点として利用しやすいこともあり、民主党もそれなりに懸命になっているようだし、与党側も役所を悪者にして政府を正義の味方に見えるようにするなど、おそらく懸命に演出するでしょう。
5千万件の請求権者不明の年金があるというのは確かに大きな問題ではあります。
しかし、このような問題は本当は年金問題のほんの一部分でしかありません。


年金制度があまりにも複雑なために、役所の年金担当者ですら市民への応対を間違えていたり、払うべきものを払えないと答えていたりした事例は過去に沢山報告されています。
私が独立FPとしての情報ウェブサイトを立ち上げた時に、その掲載記事として最も重要視したのはまさに公的年金の諸問題でした。非常に多くの人達が自らの国民年金、厚生年金の制度の仕組み、保障されている内容、手続きのポイントなどについて、あまりにも知らなすぎると警鐘を鳴らすニュアンスで年金コーナーを立ち上げたものです。


そのHP立ち上げから早くも7年以上経過し、その間に3割以上に及ぶ国民年金不正未加入者がいること、厚生年金に不正に未加入な企業が20%あること、政治家や有名人を含めての年金保険料の不払い問題などが次々に社会問題化して来ました。しかしながら、年金制度についての国民の知らな過ぎる状況は今もほとんど変わっていないように見えます。


社会保険庁の不正行為や杜撰な手続きの実態が暴露され、社会保険庁解体の動きが現実化しつつある中で、彼らはそれなりに問題意識を持ち、堀を固めている節があります。
たとえば将来の年金額がいくらになるのかをシミュレーションできる無料のサービスを始めたり、年金情報の国民への浸透を図るような取り組みをネット上でも展開しており、数年前とは隔世の感があります。


出来ることから先手を打っておくことで、突っ込まれても対抗できるように、攻められても反論できるようにと頑張っているのでしょうか。役所解体の実損を最小限に止めたいとの強い意志を感じます。
社会保険庁はその大組織自らの存続を期してそれなりの努力をしているのだろうと妙に感心してしまうのです。(明日に続く)