テレビやラジオなどで流される保険のCMにはかなり問題があると私は感じています。
会社名を浸透させるためのイメージ広告などならまだしも、保険商品そのものを薦める類のCMは非常に罪深いものだと思います。
たとえば、10年定期のガン保険を薦める場合、10年後以降も継続する場合には必ず保険料がアップすることを十分に説明するべきところですが、CMでそんなことは言いませんね。
保険料も終身払いである終身医療保険を薦めるCMでは、終身払い以外にも60歳払いや70歳払いという短期払いの終身医療保険もあるのだということには触れていません。(一生上がりません=一生払い終わりません、でもあるのですよ!!)
つまり、ある特定の保険商品のCMでは、商品検討に絶対必要と思われるような「選択肢の存在」が無視されることになるのです。
こういうCMでその気になって十分な選択肢を見ることなく決定してしまうひとが多くなるとすれば「適合性の原則」から大きく外れた営業手法と言わざるを得ないでしょう。
保険業界の「お客のほうを向いていない体質」への批判の声が増して、契約者保護のための方策が次々と打ち出されつつある中で、「○○保険はこんなあなたにぴったり」などという軽〜い商品CMがいつまでも許されるていることが私には不思議でなりません。
メディアリテラシイの大切さを力説したい所以です。