独立FPの独白ブログ

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■3丁目の夕日


転職する前まで読んでいた小学館の漫画誌ビッグコミックが月刊誌として創刊したのは昭和43年の4月らしいので、私が中学2年生のときであります。少年漫画誌(サンデー、マガジンなど)とはそろそろ距離を置くようになり、かといって「漫画アクション」とか「漫画ごらく」は完全に大人向けの印象で敷居が高いと感じていた私でした。
(大学生や若いサラリーマン氏がサンデー、マガジンを読むという時期もありましたが・・・)


子供向けではなく、しかしアダルトオンリー的ではない純粋なコミック雑誌の登場ということでワクワクしつつ創刊号を買ったことをおぼろげながら覚えています。創刊号は多分金色をベースにした豪華な表紙で、当時売り出し中の横尾忠則氏のイラストだったような気がしますがこれは定かではありません。ゴルゴ13はこのビッグコミック創刊の年の11月からスタートしたそうです。・・・ということはなんとそろそろ40年!!


さて、その4年ほど後に勢いをかって創刊された「ビッグコミック・オリジナル」(たぶん隔月刊)にひっそりと登場した少々地味な雰囲気の漫画が西岸良平氏の「夕焼けの詩」でした。目立たぬ感じのそのレトロな漫画は「あぶさん」「浮浪雲」と共に30年以上連載し続ける超長寿漫画となっています。いつの間にか「夕焼けの詩〜3丁目の夕日」と命名され、これを原作として2005年に映画「ALWAYS 三丁目の夕日」が大ヒットするに至ったのです。


劇場で見逃していたその映画をようやくDVDレンタルで観たのですが、なかなか良かったです。
舞台は昭和33年なので、当時4歳であった私としてはそのまま記憶とリンクするはずは無く、私がこの映画の映像に感じる懐かしさは、「昭和の空気」というわけなのでしょう。
しかしトタン屋根の街並みや都電の走る都会(今も走っているけど)の記憶は鮮明に残っているし、電気ではなく氷で冷やす冷蔵庫を使った経験がありますし、洗濯機の脱水は手動のローラー式でした。
もちろんテレビは白黒だったし、チャンネルをガチャガチャやってすぽっと抜けてしまったことなども思い出します。


この映画のねらいはそうした物理的な「懐かしさ」とともに、もうひとつ「日本人の心象への懐かしみ」ではないでしょうか。経済的な豊かさと心の豊かさは実は反比例しているのかもと思えるような、貧しい昭和の庶民の心根に、なんどか泣かされてしまいましました。
少々落ち込んでいた気分を爽快にしてくれる「明るい感動」の映画、理屈不要の感動作でした。
しかし、ラストの場面は明らかに「To BE Continued」ですねえ。仕方ない、続編も見ることにしましょう。


ALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]

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