独立FPの独白ブログ

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■団交って知ってますか?

「横並び」崩壊を容認 電機労使が詰めの協議
 東芝松下電器産業など電機大手6社と電機連合の幹部は10日、今春闘での賃上げをめぐり、詰めの協議をした。電機連合の中村正武委員長は協議終了後に記者会見し「各社の回答がばらついたとしても電機連合としては認めざるを得ない」と述べ、長年続いてきた横並び回答が昨年に続いて崩れることを容認する考えを明らかにした。


このニュースに「変な印象」を感じる人は多分バブル崩壊後に社会人となったあたりの以降の年代ではないでしょうか? 「横並び」ってなんだ? 会社が違うのに昇給額が同じってどうして? と感じるのが普通の感覚かもしれませんよね。


昔はね、労働組合の団体(ナンタラ労連など)と経営者団体とが所謂団体交渉というのをして、一律1万円のベースアップを勝ち取るとかなんとかを毎年毎年やっていたのでした。若い人のなかには、そういう事実をまるで知らないひともいることでしょう。(労使の「談合」などもあったのだそうですが・・・)


私がサラリーマンだった頃は勤務先に労働組合なんかないし、そもそも会社に対して労働者が何かを要求するなどということは考えすら及ばない世界でありました。普通、会社における労使の関係といえば、会社が上、私は下という感じが当たり前なのであって、だからこそものを言えない労働者個人に代わって、労働者の団体がものを言っていたわけですね。最近、労働組合員の絶対数がもの凄く減少していると聞いたことがありますが、団体で交渉する必要がないほど個人がものを言えるようになったのでしょうか。まあそんなことはまずないと思いますがね。


それにしても、「各社の回答がばらついたとしても認めざるを得ない」というもの言いに対して若い人なら、「では、各社の回答が同じだったことがある訳なの??」と違和感を感じることでしょうね。
業績も違うし雇用状態も異なるし企業文化も違うはずの(しかも互いに競争相手である)色々な企業が、同じ業界だからというだけで「同じ金額のベースアップ」を行っていたことに対して不思議な感じを覚えて当然と思います。「団体交渉」ということと「談合」ということは決して無関係とは思えない、日本の文化であるも思えます。(肯定はしてません、現実だと思うだけです)


違和感を覚えるとは言っても、それでは、個々の労働者が会社に対して自らの権利を主張するようになってきているなどということも、まだまだなのではないかとも思えます。
このニュースで感じるのは、またしても「日本の近代化はもう少し先のことかしら?」という乾いた焦燥感なのです。