独立FPの独白ブログ

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■株価の急落というけれど

東証一時685円下落、終値も安値更新
 5日午後の東京株式市場は、アジア株の下落を受けて売りが加速し、日経平均株価(225種)の下げ幅は一時、685円に達した。終値は、昨年12月中旬以来、約3カ月ぶりに1万6600円台となった。世界同時株安の連鎖で、東京株は5営業日続落、下げ幅の合計は終値ベースで1500円を超えた。


NHKのニュースを見ていて株価変動の説明を聞くたびに突っ込みたくなるわたしです。
例えば、多くの会社が年度末を迎える3月に近づいた頃の小幅な値下がりについては、「決算期目前の機関投資家などによる当面の利益確保のための売りが相次いだ結果・・・」などというのです。この言い回しはいつも決まってます。
しかし一体どれだけの企業にインタビューをして「当面の利益確保のためです」というコメントを集めたのでしょうか。多分、そのようなコメントを実際に取材で得たわけではないのだろうと私は思います。


ニュース制作下請けのコメント供給会社(詳しく知りませんが、証券会社子会社のリサーチ会社だとかフリーの証券アナリストだとか)にコメントさせてそれを丸写ししているに違いなし、と私は確信します。コメント供給会社は色々な局面の答えを何通りか用意していて、それらを使いまわしているのではないでしょうかね。
ここ数日の株安についての説明はどうかといえば、要約すれば、安くなっている動きを受けて安くなっている」と言うようなことであって、どうにもこの世界は良くわかりませんねえ。


一応FPとしてこれだけ言っておきたいのですが、例えば3年前の2004年4月1日の日経平均は終値で1万1761円でした。その時に日経平均株価連動のファンドを購入した人は現時点で一単位当たり約4800円の利益を確保できています。3年で41%の値上がり、年平均収益率は13.7%であります。


5日前からの値下がりが約1600円、9%の大幅な下落だと言うわけですが、3年前からの比較で見れば41%上昇しているわけです。ここ数日の急落のことだけを聞けば、「株価は下がっている」と感じるかもしれませんが、3年前から或いは5年前から見れば「株価は大きく上がっている」、これも事実なのです。


短期的な上げ下げが資産規模に大きく影響するような投資の仕方をしている人は、こうした動きのことは織り込み済みのはずなので、だからどうしたという感じで泰然としているはずです。右往左往している人がいるとしたら、短期的な乱高下のことを無いものとして投資をはじめた超楽天的投資家か、或いは運用をギャンブルを混同している趣味の投資家さんたちだけでしょう。


「株式相場は上がったり下がったりするもの」という大原則をしっかりと理解した上で投資運用をしている腰の据わった投資家以外の「俄か投資家」の人々は、こうして毎日朝晩に「下がってる、下がってると聞かされれば、ついつい売り逃げしたくなってしまうのかも知れませんね。
いづれにしろ、現在は少なくとも1週間前に比べて株の買い時なのですが・・・・・。