独立FPの独白ブログ

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■冤罪の恐怖

★鹿児島県議選挙違反・冤罪事件
鹿児島県議選事件、無罪判決受け被告側が国賠提訴へ
 2003年の鹿児島県議選を巡る選挙違反事件で、公職選挙法違反に問われた同県志布志市の元県議中山信一被告(61)ら12人に対し、鹿児島地裁の谷敏行裁判長は23日、無罪(求刑・懲役6月〜1年10月、中山被告らを除く10人に追徴金6万〜26万円)を言い渡した。中山被告らは近く国家賠償請求訴訟を起こす方針。
 判決は捜査段階で容疑を認めた6人(うち1人は公判中に病死し公訴棄却)の自白調書の信用性を否定。「強圧的、誘導的な取り調べで自白が引き出された可能性がある。解放されたい一心から取調官に迎合し、虚偽の自白をした疑いが払しょくできない」と判断した。
 さらに▽買収資金の出所など客観証拠が解明されていない▽中山被告は別の会合に出席しておりアリバイが成立する――と指摘した。
 判決後の記者会見では、弁護人が「本日の無罪判決を評価する」との声明を発表。中山被告は「やっと真実と正義を勝ち取ることができた。警察はでたらめな情報に基づき、見込み捜査で事件を作った。検察のチェック機能にも問題があった」と語った。


経済や科学技術の発展段階からすれば一応の先進国に位置づけられている日本ですが、個人の尊厳、人権の尊重という観点からは、いまだにかなりの後進国と思わざるを得ない実態を示す事件だと思います。


この裁判で裁判長は「(警察の)強圧的、誘導的な取り調べで自白が引き出された可能性がある。解放されたい一心から取調官に迎合し、虚偽の自白をした疑いが払しょくできない」とあります。この強圧的、誘導的とはどのようなことなのか? その詳細を報告している文章を見つけました。
この選挙違反事件の翌年、平成16年6月の第159回国会の法務委員会の議事録にその捜査の詳細の記述がありました。

これを読むと、絶対に警察の取調室には入りたくないと心底から恐怖を覚えます。まことに公権力とは恐ろしい。権力の壁に囲まれた密室で、一体どんなことが日々繰り広げられているのかと想像するだに背筋が凍る思いです。


ニュースでも「踏み字」などという警察側の訳の分からない狂気の捜査テクニック振りが報道されていますが、「やりました」の自白を引き出すために「ありとあらゆる手段」をこれでもかと繰り出しては追い込んでゆこうとする手口の数々が紹介されています。被疑者たちは肉体的にも精神的にも追い込まれてしまった結果、病気になって入院したり、精神的に不安定となり交通事故を起したり、ある人などは自殺未遂までしています。


このようなことが行われているのが全国でこの警察署だけだとはどうしても思えません。
また、こういう違法捜査がほんの一部の特殊な例なのだとしても、実際にその例に自分が該当してしまったときのことも考えておくべきでしょう。
大体において日本人はお上、権力者に弱い国民(だと私は思う)ですから、こういうことが世の中ではあり得るのだということを我々庶民は認識しておくことが必要だと思うのです。スピード違反取締りの警官を見ただけでビビッテしまう私などは、身に覚えが無いことでもひとこと怒鳴られただけで「ハイ、やりました」と口走ってしまうかもしれません。


それにしても、ここまで無茶苦茶なことしてまで警察が無理やり選挙違反をでっち上げようとした、その本当の理由はいったいなんだったのでしょうか? そこがどうにも気になってしょうがないのです。 怖い!