独立FPの独白ブログ

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■子供の幸福度調査

日本の子供は先進国でずば抜けて「孤独」…幸福度調査
 【ジュネーブ=渡辺覚】国連児童基金(ユニセフ)は14日、先進国に住む子どもたちの「幸福度」に関する調査報告を発表した。
 それによると、子どもの意識をまとめた項目で、「孤独を感じる」と答えた日本の15歳の割合は、経済協力開発機構OECD)加盟25か国のなかで 29・8%と、ずば抜けて高かった。日本に続くのはアイスランド(10・3%)とポーランド(8・4%)だった。(2位以下を大きく引き離してトップ)
 また、「向上心」の指標として掲げた、「30歳になった時、どんな仕事についていると思いますか」との質問に対しては、「非熟練労働への従事」と答えた日本の15歳の割合は、25か国中最高の50・3%に達した。

15歳と言えばいわゆる思春期、身体の成長と心の成熟のバランスが微妙にずれ始めたり、家庭での自分と学校での自分の役割の違いを意識し始めたり、人との関わり方に大いなる不安を抱いてみたり、言ってみれば巣立ち前の大変センシティブな時期であります。そんな青春初期の感性として「孤独感」を意識する15歳が多いということは、必ずしも日本のマイナス面の現れとばかりも言えないのではと思います。日本の15歳は案外、感性豊かな優れた存在であるのかもしれません。


ただ、この統計調査を目にして、ある別の統計を思い出しては一抹の不安感を抱いてしまいました。
それは以前にこのブログでも触れたことのある国民の自殺率の最近の報告です。
体制崩壊後の混乱期が長期にわたった〈旧:社会主義国〉を除くと、ほとんどトップの自殺率を示しているのが我がニッポンなのです。先進国中群を抜いて自殺率上位のこの国で、その同じ空気を吸い、大人たちを見て育つ子供たちが孤独を強く感じているのだとすれば、やはりなんらかの課題を突きつけられていると感じ取るべきなのでしょう。


また、50%が将来の自分の職業と想像した「非熟練労働」という表現が「特に熟達した技能を武器とするのではない事務的仕事」という意味であるなら、これはかなり悲しい現実です。
以前ある酒場のカウンターで目撃した初対面同士の会話を思い出します。


「どんなお仕事です?」の問いかけに「いや、ただのサラリーマンです」と答えて、結果的に会話を打ち切ってしまった中年男性の横顔。「会社や組織に所属している」ことなどではなく「何をやっているのか」こそが人生では大事なはずなのに、この至極当たり前のことを、【ただのサラリーマン】氏は忘れているのでした。こんな大人がウヨウヨしているのだとすれば、15歳達の回答もうなずけてしまうのです。


子供は大人社会を写す鏡です。
子供たちの明るい笑顔が溢れるような日本にすることが我々の使命ではないでしょうかねえ。
オジサンは頑張ります。



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