独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■年初は助走期間ってことで


商社の営業マンだった時代には、年の初めの仕事といえば毎年決まってお得意先への挨拶回りでした。
ほとんどの営業部で課長以下男性社員全員で取引のある会社、工場を軒並み訪問して「アケオメ。コトヨロ。」で頭を下げ続けます。大手企業が沢山集まっている大手町、丸の内などを歩いていると他の部署所属の同僚達と始終すれ違いますし、これから行こうとしているお相手にばったり会ったりすれば路上でおじぎ合戦が展開されます。


相手方も同様に挨拶回りに出かけている場合もあり、そんなときには目当ての方のデスクの上に皆の名刺を並べて置いてきます。デスク上が名刺でイッパイになって百人一首状態になっているひとはどちらかといえばエライ方だったりします。他部の同僚の名刺が並んでいると「あれ、先を越されたな」などと悔しがったりするのですが、あまり意味はありませんね。


訪問する場所は30箇所くらいになりますし、都心から電車で1時間以上かかる事業所などもあり、一箇所で数時間かかるような大手の企業もあるので、ひととおりのご挨拶が完了するのに5日くらいはかかります。
つまり、年初の初めの一週間はほとんど挨拶回りで過ぎてゆくのです。これも大切な仕事といえば仕事ですが、みんなでワイワイやりながらの移動ですし、日頃の営業成績のこともあまり気にならず、帰社してもあまりやることも無く、なんとなく赤提灯へと向かって会社を出てゆくという感じで、正直なところまことに気楽な仕事始めなのでした。


保険営業に転職してからはこうしたことは全く無くなったわけで、今になって妙に懐かしく思い出すのです。12年間毎年続いたあの習慣が染み付いてしまったためなのか、どうも年始めの一週間はのんびり・ぼんやり気分が抜けません。最低限の事務処理をこなす以外はどうもピリッとしない日々となっています。


というようなわけで、明日はうまく時間調整をして、前売り券を買ってある「硫黄島からの手紙」を観に行くつもりです。