独立FPの独白ブログ

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■愛宕山


どうにも寝つきの悪い夜というのがたまにありますね。基本的に運動不足気味の毎日だし、晩酌のお酒も抜けてくる就寝時間頃にふとタイミングを外してしまうことがあります。読書するのもなんだか面倒だし、クラシックを聴く気分でもない、そんなとき私は迷わず落語のCDを聞きます。昨夜選んだのは志ん朝師匠の「愛宕山」でした。


この噺は京都の北西部にある愛宕山を舞台に、金持ちのダンナと太鼓持ちとの掛け合いが可笑しい、元は上方落語の演目です。志ん朝さんも幇間(太鼓持ち)ものは大得意ですから、文句なしに面白いです。
山登りの途中で、ダンナは遠くの目標を狙って瓦投げで遊ぶのですが、余興にと小判を投げ始めます。幇間の一八ははるか下方の窪地に落ちた小判を手に入れようと、傘を落下傘のように開いて飛び降りたり、竹のしなりを利用して飛び上がったりと、大変に激しい動きのある滑稽ばなしです。ドタバタアクション・コメディ、お笑い道中ものの雰囲気もあり、とにかく理屈ぬきで可笑しいです。


途中で寝てしまうつもりで聞き始めたのですが、何度も噴出す場面もあり脳が活性化してしまって、おかげで眠るどころか全編聞いてしまいました。CDであっても志ん朝さんの身体の動きや大きく変わる顔の表情などが想像できるほどの熱演です。
・・・と書いていて思い出したのですが、このはなし、志ん朝さんの高座をテレビから録画したものがウチにあって、私は昨年これを見ていたのでした。(演じた時期は異なりますが)
落語は聴くだけで(音声のみでも)充分に楽しめるものですが、できれば見たほうがより面白いという典型的な演目です。


各メディアの落語映像発掘を望みたいところです。