独立FPの独白ブログ

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■金融業界は大掃除しないの?

東証が大納会――山本金融相とホワイトソックス井口選手が出席
 東京証券取引所は29日午前、東京株式市場が今年最後の取引を終了した後、大納会を開いた。大納会には山本有二金融担当相と、米大リーグ・ホワイトソックス井口資仁内野手がゲストとして出席した。冒頭であいさつした西室泰三社長は、05年にホワイトソックスがワールドシリーズで優勝したことを引き合いに、「取引所間の国際的な競争が勢いを増している中、東証もチャンピオンを目指していきたい」と述べた。
 山本金融担当相は、「米国で活躍した井口選手のように、海外の取引所に負けない体制を東証も築いてほしい」と述べた。井口選手は、「生き残りをかけた競争しているのは取引所も野球も同じ」と語った。
 2006年の日経平均株価終値は、前年比1114円40銭(6.92%)高の1万7225円83銭となり、年間ベースでは4年連続で上昇した。〔NQN〕(13:29)

チャンピオンの栄冠を勝ち取ったスポーツ選手を大納会の看板にしたのは、今年なにかとダーティな出来事が頻発した金融市場のイメージを少しでも補正しようという広報戦略の一環なのでしょう。しかし、井口選手が頑張っている大リーグの実力主義と、金融市場の市場原理主義とは一見似ているように思えても、実はまるで違う世界ではないでしょうか。


プロ野球の世界では球場の大観衆とTV中継の視聴者の目の前でルールに則ってプレイしているのであり、基本的にインチキは不可能、一部の選手の薬物疑惑などを除けば試合の内容はほぼ公正を保っているはずです。
しかし金融市場の場合は、ルール違反が目に見えない状態、少なくとも一般の利用者の目にはルール自体が決して明白ではありません。ひと言で言えば非常に分かりにくい世界ですよね。


インサイダー取引ひとつをとっても、これを完全に排除することなどは絶対に不可能なように思えます。「知っちゃった・・・といえば知っちゃったんですよね・・」ですからね。
また、例えばデリバティブで巨額投資資金を持つ投資家グループが手を組んで、ある企業のマイナス情報を流して株価を下げることなどは、阻止することは不可能ではないかと思います。
何かのサービスや商品の提供がされることも無く、ただお金がお金を作り出すマネー市場は、プロスポーツの実力の世界とまったくの別世界だとしか思えないのです。


しかしそんな金融市場や金融業界の暗黒面が無くなることなどはあり得ないとも思えます。金融市場の流通をつかさどる大手証券会社グループの不正決算問題が年末に報じられたのは実に象徴的です。
我々消費者はその金融界の実態をよく知り、うまく活用するしかないでしょう。
私はひとりのFPとして、来年も賢い消費者がひとりでも増えるように、微力ながらも頑張って行きたいと気持ちを新たにする年末なのです。