独立FPの独白ブログ

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■左翼と右翼と天皇制


先日、ある保険代理店の先輩と二人でお酒を飲んでいて、「私は皇室の雰囲気が好きです」と発言したところ、へえええええ意外ですねええ、とビックリされました。いつも政権批判ばかりしている私が天皇が好きだというのは、その先輩にとってはおかしいらしいのです。また、別の日ですが中学時代の恩師である元:熱血教師の先生との会食の折に、天皇が好きと言いかけたら「天皇は戦争の責任を取っていないので許せない」と言われて発言を取りやめた経緯があります。
このお二人は、私の今現在の知識と判断能力と見識で判断するに、おそらくは「左翼系」だと思われます。ひとりは学生運動でブタ箱入り経験者、一人は熱血文系教師ですので結構しっくりきます。


私自身は、こどもの頃から何となく天皇陛下が(昭和天皇も現在の天皇も)好きで、皇室の特集番組なども家族とのチャンネル争いがない限り喜んで見ています。昭和天皇ご逝去の折には(職場が近かったこともあって)その発表の日に皇居に行って記帳をしてきましたし、その数ヵ月後に八王子にある多摩御陵にも御参りをしたものです。
では私は右翼なのでしょうか?


公の場であれたった一人のプライベートの場であれ、「天皇陛下万歳」と言ったことは一度もありませんし、ウチには日の丸の旗はありません。随分前ですが息子達の中学の卒業式で懸命になって日の丸を中央に掲げた校長をバカみたいだと本心から思いました。第2次大戦の日本の戦争はアジアを欧米列強から守るための必要な戦いだったとの表現には嫌悪感を感じますし、中国韓国を見下すような表現に接すると悪寒が走るような気がします。
では私は左翼なのでしょうか? (新聞は朝日だし・・・)


私は右翼なのか左翼なのかという問いに答えるには、実はまだまだ教養が足りず、本音としては「回答保留」です。なんじゃそれって思いますか? それでは皆さんは「右翼」と「左翼」の明確な定義を把握していますか?
私はこの問いへの答えを見つけたいという気持ちもあって、戦後史や戦後思想史、天皇制や民主主義、憲法など、学生時代に全く触れもしなかった本を盛んに読んでいる今日この頃なのです。いつか明確に答えられる日が来るかも知れませんし、永遠に分からないままかも知れませんが、とりあえず勉強中なのです。


日本人が右と左について考える時にどうしても出てくるのは「天皇制」についての考え方です。私が何となく天皇が好きなのはどうしてなのか? 天皇の戦争責任は本当はどうだったのか? 天皇制は必要なのかどうか、万世一系とはなにか・・・・などの設問をあれこれ考えるきっかけを、この本はいくつも与えてくれています。


宮台本はこれで8冊めになりますが、いままで知らなかった、知ってよかったことが非常に沢山盛り込まれていた本でありました。少しづつ立場の違う複数の研究者等との対話を下地にした本である点も、一定の方向にずんずん進んで行ってしまう思想本ではない点も良いのではないかと思いました。


まったく、世の中は知らないことだらけなのです。