独立FPの独白ブログ

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■主客転倒保険


突然ですが「コロッケカレー」って好きですか? 私は結構好きですよ。
では「カレーコロッケ」はどうでしょう?
私はそれもなかなか好きなのですが、そうは言ってもコロッケカレーを注文した時にカレーコロッケが出てきたらさすがにガックリくるでしょう。
だってコロッケカレーを注文した私が食べたいのは、カレー味のコロッケではなくコロッケの乗っているカレーライスなのですから。(ややこしいですか?)


これは「一体どっちがメインなんでいっ!」という話しです。


「○○特約付き△△保険」という保険商品の場合、メインの保険は○○ですかそれとも△△でしょうか?
先入観なしでこの質問に答えるなら、普通の感覚では△△がメインで○○のほうがオマケですよね、勿論。
しかし、保険商品ではメインとサブが実は反対になっていることもあったりするのです。
そればかりか、ほぼ全てが○○であって、メインのはずの△△はほとんど付けたし程度しかないなどというものも結構存在するのです。つまり主客転倒状態のものがあるのです。


この△△(メインと思われるほう)の部分が例えば貯蓄性の高い積立商品であり、○○が完全なる掛け捨て商品であるような場合に、この保険の契約者がどのような認識で契約しているかが問題となります。
商品名が「○○が特約としてくっついている△△保険」だというのですから、契約者がこれを貯蓄性商品であると思ってしまう可能性は高いと考えられます。


先日ある方から見直しの相談依頼があった保険の内容が、まさにこんな主客転倒の保険でした。
この保険の保険料の合計額が2万8千円であり、○○の特約部分の保険料が2万7千円です。
えええええっ・・・それじゃあ△△のメインの部分の保険料は幾らなの? はい、1000円です。
そうです、この貯蓄型保険のメインの部分には月々千円が積立てられるのみであり、2万7千円は掛け捨ての定期保障に廻っています。貯蓄商品に廻る保険料は4%未満でしかありません。


掛け捨てと貯蓄型とどちらが良いとか悪いとかの問題ではなく、これはよほど懇切丁寧に説明をし、充分な理解を得て商談を進めなければ、まことに誤解を生みやすい商品だと言わざるを得ないでしょう。
現に今回のご相談者はこの保険の現状を確認するべく保険会社に積立の状況を問い合わせたそうですが「これは基本的に掛け捨てですから」と言われて、勘違いに気付いて愕然としたことが相談のキッカケだったのだと言っています。


保険ではありませんが、投資信託と外貨預金とのセットで販売されている高利率の定期預金とかも、組み合わさっているがゆえに、その商品の本質が見えにくくなるものが巷には結構存在します。
セット商品は、何故セットなのかをまずは考える習慣をつけ、かつ、中身をばらして検討してみることが重要であると思います。気をつけましょう。


そういえば、昨年の「賛成ですか反対ですか!」の郵政民営化選挙では増税やら社会保障削減やらが、実はセットになっていたことにあとで気が付いたというひとも多いのではないでしょうか?コワイですねえ。