読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■4冊目も当たり!

クリスマス黙示録 (新潮文庫)

クリスマス黙示録 (新潮文庫)

多島 斗志之をはじめて知ったのが「不思議島」という創元推理文庫の復刊版で、2冊目に読んだのが「症例A」とどちらも非常に面白く引き込まれて読んだのでブログでも紹介しました。
3冊目に読んだ「二島縁起」はどうだったのかと言えば、これもまずまずの面白さだったのですが2冊目の症例Aの強烈な印象を持ったままに読んでしまったために、私の期待度が大きすぎたようで、ブログで推奨という気にはなりませんでした。


私なりにこの作家の特徴を言えば、非常に熱心な調査、情報収集をもとにドラマ創作をしていること、大変に物語の進めかた読ませ方がウマイという言い方が当たっていると思います。
どの本も、読者にとっては殆ど未知、未体験の世界(例えば海上タクシー)での出来事や主人公の思いや感性であるにもかかわらず、その物語の世界にかなりどっぷりと浸かってしまう感じがするのです。こういうのを、ウマイ小説家というのでしょう。


さて、4冊目「クリスマス黙示録」はというと、これまたまるで違う世界の物語で、なんと舞台はアメリカであり、主人公は日系アメリカ人女性にしてFBI捜査官という設定です。
時代は日本のバブル経済生成の真っ只中であり、日本人がエコノミックアニマル呼ばわりされていた頃です。
東京都の地価総額でアメリカ全土の土地が買えるなどといわれ、現実にニューヨーク中心部の巨大ビルのいくつかが日本企業に買収されたりして、アメリカ国民の反発を呼び日本バッシングが起きていたという、最近の若い人には想像もできないだろう現実離れしたような時代の物語です。
日本の小説なのに、なんだかハリウッド映画のよくあるFBIものを見ているような感覚で結構楽しく読ませてもらいました。(日本人が書いたFBIアクションものですよ!)


この本もどうやら今のところ絶版状態のようですので、古本屋さんで探すことになるのでしょうが、売れていたらしく、ブックオフやいとうなどにも結構出回っています。(あるいはAMAZONですね)
それにしても世の中には埋もれた面白い小説が沢山あるものです。