独立FPの独白ブログ

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■市場主義の巨人経済学者死去

経済学者フリードマン氏が死去、米英政権の政策に貢献 2006.11.17- CNN/AP/REUTERS

市場原理を重視し、20世紀後半の米経済政策などに大きな影響力を与えた経済学者、ミルトン・フリードマン氏が16日、米カリフォルニア州サンフランシスコの自宅で死去した。94歳。死因は心臓疾患とみられる。
ニューヨークでユダヤ系移民の家庭に生まれ、シカゴ大学の教授などを歴任。自由主義を説くシカゴ学派の主柱として活躍した。76年に金融理論などでの功績が認められ、ノーベル経済学賞を受けた。著書に「選択の自由」など。
公共事業などを通じた積極的な財政政策で景気を浮揚させるケインズ主義を批判。通貨供給のコントロールを重視し、政府の役割として、規制緩和や構造改革を進めることの重要性を説いた。特に80年代のレーガン政権初期の経済政策などに深く関与。英サッチャー政権の市場経済化にも刺激を与えた。

政府の市場介入を出来る限りゼロに近づけ、全て市場の競争原理に任せるべきである・・・小さな政府と市場主義を世界に普及させることを徹底追求し続けたこのひとの主張を見ると、経済学者であるだけでなく「思想家」なのだと思えます。


この思想はアメリカの経済政策に採用されて一定の成功を収めて以降、より自由によりグローバルにマネー資本主義を展開したい勢力の世界戦略の後ろ盾となり、全地球のフラット化に貢献し続けています。
一方で、極端な市場原理至上主義の弊害を訴え、大資本の市場展開によって国の伝統文化や地域経済が破壊されてゆく過程に警鐘をならす批判勢力にとっては「悪魔の経済学」の象徴的存在でもあります。


自由、自由と言い続けては他国の自治を侵害し続けるアメリカの姿勢を思うにつけ、学問とは一体何のためにあるのだろうかとタメイキ交じりに首を振るしかありません。


高校の先輩で知人の経済学者が私に教えてくれたこと・・・
「経済学の目的とは、時の政権にその政策のお墨付きを与えることだ」という言葉が一番分かりやすいように思うのです。


アメリカの世界市場化戦略の先鋒であったラムズフェルドが表舞台から去り、アメリカ合衆国日本州の首長が交代し、そして学問的支柱のひとりが死去した。やはり時代の流れか、というような感慨を覚えるのです。さて、来年はどんな年となるのでしょうか。
それにしても、迷いの無い人ほど長生きするということなのでしょうか。