「医療保険に入りたいのでS社の通信販売の申込みをしようと思うのですが、第3者の意見を聴きたい・・・」というご相談が舞い込みました。その医療保険は次のような内容の商品でした。
- 保険期間15年という定期の保険である。つまり当然ながら15年で保障は終わる。
- 女性疾病特約が付いている。
そして、私がその点をメールでご指摘したところ、次のような誤解があったことが判明しました。
- 医療保障は高齢になるほど必要性が増すと考えているので保障期間は終身にしたいと思っており、この保険は加入すればずっとそのまま継続すると思い込んでいた。
- 女性疾病特約を付けておかないと、子宮筋腫とか乳がんなど女性特有の病気は保障されないものと思い込んでいた。(特約なしで基本的に全ての疾病が保障されます)
保険相談を受けていると、このような誤解、思い込み、勘違いは日常茶飯事ですので私はもう驚かなくなりましたが、以前は「どうして保険期間という項目を確認しないのにずっと続くと思い込むのか」などと不思議に思ったこともありました。
しかし、よくよく考えてみれば、どんな商品であれ、比較するべき選択肢の存在を知らない状態であれば、これも仕方の無いことなのでしょう。
提示された商品を買うか買わないかという判断しかしようが無く、プロである保険会社が提示するものについて、他にも良いものがあるのではないかといちいち疑って見るという習慣をもっている消費者は数少ないのが現実かとも思うのです。
- 保険種類は結構沢山あって、かつ個々の商品のなかにも更に多くの選択肢が存在すること。
- 必要な保障だけを選んで組み合わせることが可能であること。
- 同じ保障の保険でも年齢によってコストが大きく異なること。
- 保障内容とは保険金額だけでなく保障期間という重大な要因が含まれること。
- 保険には同じ保障でも定期と終身があること。
- 保険料の支払い期間も色々選択肢があること。
こうした基本事項を未確認のままでいきなり商品選択に入ってしまうと、色々とあちこちを見て廻り、懸命に考えて選んだつもりでも、結果はミスマッチとなる可能性は否定できませんね。
ネット上に大変多くの保険情報が溢れている現在であればこそ、ではどうやって選ぶのか、どんな考え方のバリエーションがあるのか、そもそも保険とは何のためにあるのかというような、根本的な問題の検討がさきになされなければならないと思うのです。
保険という商品には薬品と同様に処方箋がまず必要であると思うのですが・・・。
保険の通販って一体なんなのでしょうか。