独立FPの独白ブログ

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■父親達の星条旗

最近、仕事以外の話題ばっかりだが、これでいいのだろうか、と思いつつ・・・・


戦争テーマの作品を映画館で観るのはかなり久し振りのことです。
私の場合は基本的に、大画面の迫力映像と大音量に包み込まれることを楽しむのが映画館に観に行くメリットと思っているので、映画館に足を運ぶのはだいたいSF系、アドベンチャー系ばかりなのです。大画面でなくてもいいかなと思う作品はレンタルビデオやBSのTV放映を待つのです。
戦争映画を大画面で観るというのは、大量殺人現場のリアルな映像をこれでもかと見せられるという恐怖を感じてしまうので、ほとんど観に行ったことがないのです。


さて、ほとんど初めて観る戦争映画のロードショウがクリント・イーストウッドの渾身の大作「父親達の星条旗」です。
私の回りで言えば調布市とほぼ同じ面積しかない小さな島の上で約40日に日本軍約2万人、アメリカ軍約7千人の犠牲者(死者)を出したという凄惨な硫黄島の戦闘。その戦闘の最中にアメリカ軍が全島をほぼ制圧したかに見えた時点で、6人の兵士が山の頂に星条旗を掲げます。その際に撮影された1枚の写真をアメリカ軍と政府は、戦意高揚と国民支持の維持を目的に利用することを計画します。英雄に祭り上げられて本国に戻り、戦時国債の購入を宣伝して廻るという国家プロモーションの主役となった兵士達を巻き込む騒動と、その過程で悩みもがく若者達の姿を通して、戦争のおそろしさをうったえています。


英雄賛美の茶番劇(茶番と言っても国としては徹底的に本気の演出)の主演として全国をドサマワリさせられる彼らの毎日。硫黄島での地獄の記憶がよみがえり苦しむ彼ら。硫黄島の戦闘シーンの残酷さ。
大画面と大音響の映画館で観たからこそ、イーストウッドのメッセージはドカンと心に響きました。観て良かったです。
同じ戦闘を日本側から描いたもう一作、「硫黄島からの手紙」も必ず公開次第観に行くつもりです。(12月)


思い起こせば2003年のイラク戦争でもプロパガンダのためにジェシカ・リンチ上等兵が英雄に仕立てられた出来事がありました。戦争はいつも、それを決定し指令する人間ではなく、指示された国民が利用され犠牲になるのです。「戦争はこれを決定した人間が真っ先に最前線に行くこととする」という条文を憲法に入れておけば世界から殆どの戦争がなくなるのです。間違いない。


『父親達の星条旗』 公式サイト