♪♪三条へ行かなくちゃ 三条堺町のイノダっていうコーヒー屋へね ♪♪
・・・昨年亡くなった高田渡氏の大ヒット曲(?)「コーヒーブルース」を声を出さずに唄いながら、京都駅からひたすら北へ北へ歩くこと約40分あまり、ついにあの懐かしい「イノダコーヒー店」を見つけた時には、35年前の修学旅行のあの朝の記憶が蘇ってきたような気がしました。
あの時、憧れのイノダコーヒーで本物の高田渡氏が座っているのを目撃(証拠は無いが事実と信じています)した時の感動と戸惑いを心から懐かしく感じながら、今日はゆったりとした気分で店内に入ったのでした。
さすがに1〜2回の改装を経ていると思える店内はほぼ満席に近い状態で、空気は丹精に落ち着いています。BGMを流していないので、コーヒーカップやスプーンの触れ合う音と静かな会話の声、そして深いコーヒーの香りとが混ざり合うようにして漂います。ううむ、本当に素敵な空間です。
注文を取りに来た店員さんに、「ええと、昔からあるコーヒーは?」と聞き、即座に「こちらですね」と教えてくれた『アラビアの真珠』を注文しました。ミルクと砂糖を入れて飲むこのブレンドコーヒーは昔と変わらぬ香りと同じ味がしたように感じて感動。(本当は良く覚えていないけどきっと同じ味だ)
すっかり気分が高揚した私はイノダを出てまだ時間があったので、金閣寺、龍安寺まで足を伸ばし、立派な観光客として半日を過ごしたのでした。途中タクシー運転手さんに聞いた話しでは、龍安寺の石庭でじっと座って庭を見つめていると「全宇宙」を感じることができるという大学教授がいたそうです。残念ながら私の精神はとてもそのような域には達していないことを確認して、京都駅に戻りました。すっかり元気になった私は午後の仕事を完璧にこなしたことは言うまでもありません。???