独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■暴力×暴力=暴力(∞)

5年前のこの日、当時はまだ見ていたテレ朝のニュースステーションにチャンネルを合わせた途端、目に飛び込んできた衝撃的な映像を、その後何度も何度も繰り返して見ることになりました。
あの瞬間の感覚はよく覚えていないけれど、「どこかのアホな奴が操縦ミスをしてセスナ機か何かでビルの側面に突っ込んだ恐ろしい事故」という印象でした。これではケガ人も出たであろうなどと思っているうちに、次々と入ってくる情報にもう戦慄する間も無いほどで、思考が追いつかないような一日の始まりだったわけです。


仮にあの事件があの日に起こらなかったとしても、ブッシュ政権下のアメリカはおそらくアフガンやイラクをあるいはイランやシリアなどを何らかのきっかけで攻撃しただろうと私は思います。きっかけは幾らでも見つけられたでしょう。(無くてもでっち上げるのだから)
またどちらが先かは別として、必ずやイスラム過激派サイドからのアメリカへの攻撃がなされていたでしょう。
自由主義、市場主義、世界ドル市場化主義以外のイデオロギーが地球上から消えるまでは必ず戦いが続くのです。(今のままなら)
事件直後、私には薄笑いにしか見えない妙な表情で「これは宗教戦争だ」と演説したブッシュは、最近は「イデオロギーの戦いだ」と発言しています。


ブッシュを支持してきた保守派の人達や米軍兵たちは最近、戦争の大儀が揺らいでいる、対イラク政策は誤りだと言っているそうです。では大儀があると自信がもてるならあの人達は今もブッシュを支持するわけなのだ。
支持率が低下しているのは「やったことが間違っていた」からではなく「いまだに勝てないでいる」からなのです。スゴイ国です。


70%の米兵が「我々の任務の目的は復讐だ」と感じているという調査結果を先日耳にしました。
また、あの日から何ヶ月にもわたって現地で必死に救出活動、復旧作業に従事した警察官、消防士、建設作業者、ボランティアの人々の70%が有害物質の吸引による健康被害に苦しんでいて、政府からはろくな保障も受けていないのだと言います。
NYの現場で命を削って同胞を救おうとした人達の医療費用に振り向けるお金は無く、イラクの利権構築のために殺し合いのコストを遣い続けているのがあの政権の実態。本当に権力とは恐ろしいものです。


戦争を仕掛ける首謀者たちは、いつでも必ず現地にはいないし、いつも宗教や道徳や思想や理想を道具にするのです。こんなことなら、宗教も思想も無いほうがいいでしょう。
戦争を行う場合は命令系統の上から順番に現地に赴き、地位の高いほうから前線に配置するという決まりさえ作れば、戦争はこの世からなくなるでしょう。


溢れる思いは言葉になりません。とにかく、なんとかして本当のことを知ろうとする努力を忘れぬこと、何度も何度も繰り返される戦争の歴史の事実をちゃんと受け止めること、そして何よりも、自分の頭で考えて、自分の心で感じることを絶対に忘れないように努力すること。平和に生きるにはこれしかありません。
ああ、今夜はどこに向かって祈ればいいのだろうか。この世には神はいないようだ・・・・。