独立FPの独白ブログ

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■保険屋じゃない保険売り


2007年からいよいよ銀行が本格的に生命保険を販売するにあたり、「銀行の立場を利用した強引な販売が行われる懸念」が取りざたされています。
勿論、こうした販売姿勢については法律で規制していますが、実際にどれだけ防ぐことが出来るのでしょうか。今後できるだけ好条件の融資を受けたいと切望している中小企業経営者が、その銀行からの保険の売り込みを、必要ないからと断ることなどできるのでしょうか。


保険商品ではありませんが、融資先に対して金融デリバティブ商品の圧力販売を行ったとして大手銀行が処分を受けたのは記憶に新しい出来事です。現実には今も毎日のようにあちこちで圧力販売が行われているに違いないと、私は思っております。


先日、自動車保険の契約者から「突然で申し訳ないが解約します」との連絡があり、行ってみると事情はこうでした。
彼が新車に買い換えるに当たり、ディーラーと交渉している中で、かなり無理して値引きするので、是非自自動車保険をそのディーラー経由に切り替えて欲しいと強く頼まれた。保険にも入るという条件での大幅値引きだと言われた。そこで私の契約を解約して自動車保険を切り替えるのだということでした。


代理店の私としてはお客さんから解約の希望があれば、即刻その手続きをするのが当然ですが、件の新車ディーラー営業マンの行為は「完全に保険業法上の違法行為」です。

保険以外の商品と抱き合わせによって有利な条件にするとか、保険に入ってくれれば商品を安くするなどのやり方はかなり明白な法律違反です。公表する気は毛頭ありませんが、そのディーラーがどの自動車販売会社でどこの営業拠点なのかも確認しています。


同じような出来事が2年ほど前にもあったのですが、そのディーラーも地域は違えど同じ系列の販売会社でした。
もはや世界ブランドである自動車を販売しているこの会社は、自動車販売以外の様々な商品の売り上げのノルマがかなりキツイと、当の販売会社の営業マンから聞かされたことがあります。
ノルマ達成で頑張るのはいいけれど、生命保険など良くわからないのに売ったりすると、お客さんに不利益をもたらすことがあるから気をつけたほうがいいよ、と彼には忠告をしています。


実は自動車保険はかなりの割合でクルマ屋さんが売っていますし、最近はガン保険なども結構売っているのです。
クルマ屋さんが片手間に販売できるような商品を、わざわざ高レベルな教育を受けた「保険のプロ」が販売する必要があるのかどうか、私の感覚では実に矛盾だらけです。保険業界とは本当に「タイヘンナ業界」です。