独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■中立と独立の違い


【我々はあくまでも公正中立の立場から適切なアドバイスを行うファイナンシャルプランナーであり、保険の強引な押し付け販売はいたしません。】という謳い文句が記されているFPや保険営業のウエブサイトを良く見かけます。
決してちゃちを入れる訳ではありませんが、この言葉に対して私がいつも思っていることがあります。
公正はいいとしても、中立というのは少し違うんじゃないかという思いです。


突然ながら、NHKは中立だということになっていますが、果たして報道機関が中立であって良いのでしょうか。中立というのは極端な場合には「犯人」にも「被害者」も人権擁護の立場からは同じように平等に扱うということになったりするのではないでしょうか。


私の考えるジャーナリズムとは基本的に体制側、権力サイドに批判的であるべきだと思うので、中立では困るのです。政府のやることには「何でも反対」だけがアイデンティティだなどということではなく、国や権力者や経営者などの支配層、強者に対してはつねに力の弱い民衆の側から厳しい批判の目を向けている存在であるべきだと思っています。最近のNHKなどは妙にバランスを取ることばかり考えているように見えて、中立であるかも知れないが役には立たないと感じます。
中立をまもっていると、時の政権が発表するコメントに一切批評を加えずに垂れ流すことにもなるでしょうが、果たしてジャーナリズムがそれで良いのでしょうか。


先日、ラジオを聴いていてハッとしたのは、報道、マスメディアは「中立」ではなく、『独立』こそが重要なのだというあるジャーナリストの意見でした。
そこで私は自分の仕事のコンセプトを思い出しました。私は自分のことを公正中立なFPと言ったことはありません。中立よりはどちらかと言うとお客様よりです、と表明しています。あまりこれを強調して保険会社に嫌われたり警戒されたりするのではお客さんにもマイナス効果となるので、声高に言うことはありませんが、志としていつもそのように思っています。


独立している状態だからこそ、良いことは良いと言い、悪いことは悪いと言える、どちらの立場の相手にもこれが言える、意見を交わすことが出来る、これがまっとうな人間の姿です。
世の中には組織でなければできない仕事も沢山あり、組織あっての個々の活動であるという面はもちろん否定できません。そして組織の利益を優先するのか顧客の利益を優先するのか、これは営業に関わる者にとって永遠の課題なのかもしれませんが、どんな組織に属して生きていても、良心だけは独立していなければと思ったりするのです。


私は独立ファイナンシャルプランナーとして、徹底して消費者の側に立って働きたいと常に思っています。
しかし、雇ってくださる消費者がいなければ飢え死にするしかないのですが・・・・。