独立FPの独白ブログ

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■転換か更新か見直しか

「月末に生命保険の更新時期を迎えるにあたり見直しをしたいのですが、時間がないので少々焦っています」という主旨の相談メールは年に数回舞い込みますが、私が決まって言うのは、焦らずキチンとご検討されるように・・・ということです。


定期付き終身保険を更新すると定期特約などの部分の保険料が5〜6割アップし、或いは2倍位になってしまう場合もあるため、そんなに高くなってしまう前になんとかしなければと焦る気持ちは良くわかるのですが、何事も焦ってはいけないのです。


保険の満期とか更新期とか、或いは年齢アップで保険料が上がる誕生日とか、そういうタイミングを新規契約クロージングの絶好のチャンスとして狙うのは、セールスマンの世界では常識です。
保険料が上がる前に、より良い保険に加入する・・・このこと自体はもちろん良いことですが、本当に自分にとって必要な良い保険はどんな保険か、今加入している保険の意義はライフプランに当てはめてどうなのか、など本来検討するべきポイントを、焦るあまり外してしまったのでは、改善が改悪となるかもしれません。


例えば定期特約の更新で保険料が大幅アップするからといって、いままでせっかく継続してきた予定利率の高い終身保険なでをも無くしてしなうなど、本末転倒の見直しが行われてしまうという、誰のための見直しなのか訳が分からないケースも散見されます。
終身保険部分は更新とは関係なく継続可能なのですから、それはそれで継続するとして、医療保障や特定疾病の保障などは必要資金分析などを通じて、あらためて自分に合った保険を探せば良い、というように頭を切り替えて掛かれば良いのです。


たとえ、以前の内容のまま継続して、それが検討の結果考えに合わないと判明した場合でも、一ヶ月以内の総合的な見直しを実行すれば、多く払う保険料も1ヶ月分だけで済むのですから、そんなに慌てなくても良いでしょう。一度止めてしまった生命保険は、通常は元には戻せないのですから、焦って変えてしまうことのリスクのほうがよほど大きいと言えるのです。


思えば、どんな商売にも「決断のタイミング」はつきものです。日銀のゼロ金利政策解除のニュースを受けて、さあ住宅ローン金利が上がりはじめます。いまこそマンション購入の決断を!! などあちらこちらで営業展開に利用されていることでしょう。


皆が売りたがる時期にこそ買い、皆が買いたがる時こそ売り時、という株式投資成功のための鉄則もあります。
流れに逆らった方が概ね損をしないと、私は個人的にいつも感じているへそ曲がりです。
みなさんお気をつけ下さいね。