独立FPの独白ブログ

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⑫「聴く」=対話の王道


様々なセールスノウハウの研修をして、ついに営業開始をしてから半年ほどした頃、同期入社の我々もそれぞれの個性が出てきて、違った営業スタイルを展開し始めました。
自分の友人関係ばかりにコツコツと面談し続ける者、むしろ友人知人よりも、知人から紹介を貰って会社経営者ばかりに会いに行くもの、先輩が得意な人、後輩専門などなど色々です。


その中で「オレは基本的に法人契約しかやらない」と豪語していたI氏がいました。
I氏は仲間うちの飲み会になると非常に良く喋り、人の話をさえぎっても話し出したり、どうにもうるさい存在となってきました。
あるとき、「Iさんは、こちらが何かひとつでも話すと、その反応が10倍、20倍となってかえってくるほどに喋りまくるけど、なんとかなりませんか」と冗談交じりに言ってみたところ、こんな答えが返ってきました。


Iさん曰く、オレは最近、中小企業の社長さんばっかり相手にしているが、彼らは一様に孤独であり、自らの考えていることや自分のこれまで頑張ってきた経緯などを話したいのだが、社員の前で気の置けない世間話は出来ず、お客さんに自慢話をする訳にもいかず、オレなどが会いに行くと、ここぞとばかりの語り始めるのだ。おれは、一日中、経営者の独り言をひたすら黙って聴いているのだ。だから、支社に戻ってきて、仲間内で飲むときくらいは、一方的に喋らせて欲しい、というのです。


たしかに、社長さんという職業の人達は会社の中ではトップに位置し、他の人は全てが指揮命令すべき対象なのであって、お友達は内部にはおらず、常に孤独、常に本心を聞いて欲しいという欲求を持っている可能性がありそうです。
また、社長さんに限らず、人は誰しもが、自分のことを話したがるものです。人の話を聞くよりはどちらかと言えば話したいというのが本音でありそうです。そうであれば、コミュニケーションを円滑にする第一歩は、相手の声に耳を傾けることではないでしょうか。


私自身も仕事ではできるだけ話に耳を傾ける努力をしていますが、仲間との飲み会などでは、ほぼ均等に話したり聞いたりが自然に出来る間柄の友人を無意識に求めているように思えます。
聴いているだけの時間は耐え難いし、話しているだけでは自分がバカになった気がするからです。


人生には、共通の話題があり、思いやりを持った友人が必要ですね。