- 作者: 藤岡真
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2001/08
- メディア: 文庫
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書店で平積みされていたこの本のタイトルに何か惹かれるものを感じていました。
作家である藤岡真氏はかつて小説新潮新人賞を受賞してデビューしたということを知り、さらにその新人賞の選考委員が筒井康隆、井上ひさしであり、おふたりの評価が高かったと知って、筒井康隆党の私としては迷わず購入というわけでした。
期待にたがわず、はじめから終わりまで、楽しく、ほとんど飽きることなく読了し、もう一冊読みたくなって「白菊」という創元推理文庫を買ってきてしまいました。(こちらは未読)
「ゲッペルスの贈り物」は謎解き、サスペンス、軽い笑いが適度にちりばめられ、ガチガチのハードボイルドでも、コチコチの謎解き推理でもはないけれど、きちんとして締まりのある文体であり、軽快なしかも軽薄ではない、お奨めのエンタメ作品です。
かなりの寡作なのは、広告ディレクターを本業とするサラリーマンであり、仕方の無いことなのでしょうが、現役大学教授(助教授かな)の森博嗣さんの多作ぶりを見れば、もう少し書いてくださいよ、言いたくなりますね。
創元社は絶版本の再発行など、過去の埋もれた作品の発掘をしてくれていて有り難いと思いました。