独立FPの独白ブログ

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■ミスティック・リバーを観てしまった!

ミスティック・リバー [DVD]

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最近は余り見なくなったものの、その非常に強烈な印象のためにいつまでも忘れられない夢がいくつかあります。そんな夢のひとつに「自分は人を殺してしまった過去をひた隠しにしており、いつ発覚するかという恐怖におびえながら暮らしている」というものがあります。


自宅の屋根裏だか秘密の部屋だか判然としない場所に死体を隠しているのを、見つからないことを祈りながら、一生涯このようにびくびくしながら生きてゆくのだろうなと、自分の運命を呪うのです。見つかりそうになる出来事が色々と起きるのですが、いまのところ発覚していないため、いつまでもこの恐怖は続くのです。(ここ数年は見た記憶がありませんが)
あまりにも衝撃的なので、目覚めた時に「これは本当に夢なんだよな」と自問することも多かったくらいです。ひょっとすると前世に何かあったのかも、などとも思ってしまいます。


夢ではなく現実に生きてゆく中で、どうしてあんなことをしてしまったのかと、いくら悔やんでも悔やみきれない精算できない過去をもち、そういう重荷を背負って生きている人は現実にもきっと沢山いることでしょう。
人はそれぞれに悔やまれる過去をもち、常に心の中にどろどろした何かを抱え込みながらも、周りと何とか折り合いつつ日々を送っているのでしょう。
そうであれば、人生とは誠に辛く苦しいものです。
だからこそ、他者との触れ合いに心を温められ、人を愛することで前に向かう勇気を思い出し、誰かに感謝されることを生きがいにして、生きてゆこうとするのでしょう。


愛か憎しみか、白か黒か、善か悪か、やられるかやり返すか、叫ぶのか沈黙か・・・・そんな簡単にどちらかに振り分けることなどできない、やるせなく、切なく、複雑であってそして単純な、人間の業というものを見せ付けられた映画でした。
ミスティック・リバーの主人公達もみんな過去を引きずって生きています。


笑えず、泣けず、怒りもできず、ううううううううむ、とうなりたくなる様な後味、
私は名作だと感じましたが・・・、何かの悩みを断ち切って、明日に希望を感じられるように、「スッキリしたい」時に見る映画ではないように思われます。

こういう映画がアカデミー賞を受賞するのが現代なのだとも考えられるかも・・・。