独立FPの独白ブログ

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■不動産バブル増殖中

 ロイター発・・金融庁は26日、不動産管理信託業務で法令違反があったとして、新生信託銀行に対し、5月11日から1年間、不動産管理処分信託の新規受託業務を停止するよう命じた。同行は不動産流動化(証券化)に関する不動産管理信託業務を手掛けていたが、引き受け予定の不動産の受託審査・査定を行わず、対象物件の瑕疵(かし)やリスクを信託受益者に転化していた。金融庁はこのような状況を放置した同行の内部管理体制を問題視。信託法20条および信託業法28条2項(善管注意義務)に違反すると判断した。

これはひょっとすると氷山の一角と言える出来事なのかも知れません。
さすがにここまでひどい「なんでもいいからファンドにしちゃえ」的な不動産投信販売をする会社は少ないのかも知れませんが、多かれ少なかれ、不適切な物件審査が横行している可能性があるように思われます。


1%の10分の1にも満たない超低金利(というかゼロ金利)を背景に金融業界各社は、黙って置いておく手はありませんという決まり文句で、様々な商品を販売しようと躍起になっています。株式投資信託、外貨預金、変額年金、そしてこの不動産投資信託もそんな資金獲得用商品のひとつです。


バブル崩壊〜長期景気低迷の流れの中、ここへ来て日本の地価は上がるところと大きく下がるところとの差が開き、超二極分化が進んでいるようです。さらに、構造計算偽装など、建物自体がまともな品質をキープできているのかさえ危うい状況になってきていますので、有望な投資対象としての優良不動産物件を見つけることは簡単ではないのです。


当社も提携しているある会社の不動産投資商品の説明によると、その会社では年間に約3000件の物件を候補に挙げ、詳しい調査のためにふるいにかけて残るのが750件、そのうち基準を満たした最終候補が50件、そして厳しい最終チェックの末に投資対象として売り出すのは、たったの12件程度だということです。
そこまで厳密な調査、査定をしてようやくある程度安心して提供できる商品となるのだというのに、トップのニュースのようなイイカゲンなことで作られたファンドを買った人の財産はいったいどうなってしまうのでしょう。


この事件のようなことが起きているということは、そこまでして無理やり商品化してでも売れるという背景があるのでしょうから、まさしくこれはバブルの状況であると見るべきなのではないでしょうか。


気をつけましょう。 例によって基本は自己責任であります。