独立FPの独白ブログ

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■飛び込みは営業の原点か?

生命保険の営業を経験すれば、その後はどんな営業もやってゆけるという人がいます。
優秀な成績を挙げている保険営業マンが、私の目から見ると桁違いの非常識人間だったりすることもあるという経験から、この言葉は実は全くの的はずれであると私は思いますが、世間でこのように言われている理由は何となく理解できます。
断られても断られてもめげずに、粘り強く食いついて、最後は契約をゲットする、そんなイメージが保険営業にはあるのだと思います。


生命保険の営業の第一歩は断られることから始まるだの、何人に断られたかがわれらの勲章だのと本気で豪語する人間がこの業界では少なくありません。
なにも断られることが嬉しくてやっているのではなく、当たって砕けろでトライする数が多いほど成功の数も多くなる。つまり数打てば当たるという理屈なのであって、悪く言えば行き当たりばったりの飛び込み営業の後ろめたさを隠す台詞のように感じてしまいます。
飛込みが好きだ、結構面白い、という営業マンは結構存在するものですが、私はどうしても好きにはなれません。


私はいわゆる飛び込み営業スタイルで活動したことはほとんどありません。何故ならば、自分自身が飛び込み営業の対象とされたときにかなりの苦痛を感じるからなのです。
「自分がして欲しいと思うことをまずは人にしてあげよう」というのが人生成功のための黄金ルールだとすれば、その反対で「自分がして欲しくない事は決してひとにはしてはいけない」はずなのです。


突然かかかって来るマンション投資の売り込み電話、リゾート会員権のセールス資料を持ってやってくる営業マン、HPアクセスアップのコンサルの売り込み、聖書の勉強会の勧誘(ひょっとして布教?)、保険屋である私の家に保険のパンフレットを持って来る「この地区担当になりましたあ(^_^)」という新人保険屋さんなどなど、とにかく、こちらとしては用も無いのに突然訪れる飛び込みセールスを私は大嫌いです。
売り込みのターゲットにされている感覚、狙われているというイメージはまことにいやああああな感じなのです。こういうことが好きだという人はあまりいないはずで、多くの人が嫌がるだろうなと容易に想像できることを私はやりたくないのです。


飛び込みセールスは、ある意味では思考停止の営業であり、相手の都合を無視した一方的な勝手な振る舞いでしかありません。飛び込み営業の経験が本人にとってどのような意義を持ち、たまの大当たりに喜びを感じるのであったとしても、やはり対象にされる者にとっては迷惑な行為であることに変わりないのです。
営業マンの根性を育てることにはなるかも知れませんが、根性はできれば人様に役に立つことに発揮して頂きたいものです。