独立FPの独白ブログ

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■カラヤンについての誤解

長い間、カラヤンという超有名指揮者への偏見を持っていました。何も知らないくせにです。恥ずかしい限りですが、ある意味でこれはど素人が陥りやすい宿命でもあります。

クラシック超初心者の私が偏見を抱いた理由は、カラヤンの演奏スタイルに関して誰かが書いた批評(多分辛口ブランドの宇野さんだったと思います)を読んで、私がその記述の表面のみを捉え、勝手に作り上げてしまったカラヤンへのイメージを増殖させてしまった結果だと思います。


宇野さんに限らず、一般的にカラヤン評は余り芳しくないものが少なからずあちこちに記述されているように思います。軽いとか、商業主義的過ぎるとか、表面的なパフォーマンスを重要視し過ぎだとか、権威主義だの成金だのといった言い方です。私は長い間、こうしたイメージを持ち続けていたために、カラヤンのCDを積極的に聞こうとはしませんでした。


ここ数年クラシックを毎日のように聴くようになってからは、批評家、評論家の意見をそのままダイレクトに受け入れてしまう事がさすがに少なくなり、色々な意見に耳を傾けるようになりました。私も少しだけ大人になったのです。


ブルックナーの交響曲全曲(00番以外)をひととおり色々な演奏家にまたがって買い集め、CD10枚が揃った段階で、少し違うスタイルの演奏で聴いて見たくなり、今のところ最も好みである7番について(持っているのはマタチッチ&チェコフィルの'69年の録音)つぎの1枚を誰の演奏にするか色々と探してみたのです。


そこで選んだのが、カラヤン最後の録音であるところのウイーンフィルと'89年の録音でした。実際に聴いてみての感想はこのカラヤン&ウイーンフィルのブルックナー7番は、先に聞いていたマタチッチ盤よりもはるかに(私の好みとしては)素晴らしいように思えます。音楽は結局のところ自分の好みの問題なのだし、「あんた何も分かっていないね」などと例え誰かに言われようとも、関係ないことなのです。
カラヤンブルックナー7番がプロの耳にはどのように聞こえるものなのかは知りませんが、私は心地よく聴けるので、もちろんそれでいいのでしょう。


これからは、ちょっとしたことで引きずっているマイナスイメージを一度振りほどいてみて、色々な演奏を聴いてみることにしたいと思います。
ピアニストのポリーニについても同様の理由で全く聴いていないのですが、早めに偏見を捨て、近いうちに試してみようと思います。

ちなみに、このカラヤン指揮ウイーンフィルのブルックナー7番は、カラヤンの最後の録音となったものなのだそうです。