独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■学資保険に変額保険

学資保険という保険はいつの時代でも潜在需要は大きいように思われます。
子供が誕生すると「マトモな親なら学資保険のひとつも入らねばならぬ」という強迫観念めいたものを持っている人さえいるようです。
背景には「子供の将来のために」という殺し文句には抗えない親のサガみたいなものがあって、保険を商売としている者からすると、どうしてそこまで学資保険をありがたがるのかと、余計な心配をしてしまいそうです。


子供の教育費は随分とかかるらしいという曖昧な暮らしの情報と、学資保険って積立にもなるし保険でもあるらしいというこれまた曖昧な保険商品情報とがマッチングしてしまい、子供が出来たら学資保険、という常識が出来てしまっているようです。


商品の内容に触れるには保険会社のお許しを得る必要があり、面倒なので詳細は紹介しませんが、要するに我が子の学資金の積立をしているお父さん(またはお母さん)が死亡しても設定した学資金は予定通り入って来るというのが学資保険の基本的なすがたです。


10数年以上昔に、生保の予定利率がマトモだった頃には、積立貯蓄としての学資保険はまずまずの貯蓄としての意味がありましたし、保険にもなっているのですから、ただ単に積立貯金をしている以上の効果があったわけです。
しかし、低金利の上に超がつく現在のような状況では、生保の予定利率も1%台でしかなく、貯蓄性の良さゆえに魅力的に見えた学資保険はその様相がガラリと変わりました。
私の個人的意見としては、ほかに一切生命保険に加入していないお父さんの場合を除いて、現状の学資保険をお奨めする気にはなりません。


「低金利のときには長期の固定金利商品は避ける」という運用のセオリーからすれば、今の時点では学資保険を積極的に勧めるFPは存在しないでしょう。
それでも、運用の考え方と言うものは人によって違うのですから、現実のご相談においては「タンス貯金のつもりで、しかも保険でもあるから、まあいいや」と感じられるなら、あまり多額でなければ少しやっておいても良いかもしれませんとアドバイスをしています。


つい先日、HPをたどって私に連絡を下さった初対面の方は、「学資保険の代わりに」ということで、変額ユニバーサル保険をご指名してこられました。
死亡保障は規定上の最低額に抑えて、株式ファンド、債券ファンドで運用する投資型の変額保険の運用効果に期待しての選択です。
所謂学資保険は固定金利ですが、変額商品であれば、運用次第で5%とか7%という収益率を確保できる可能性もあります。もちろん最低保証、元本保証はありませんが、投資対象の分散、国際分散、投資タイミングの分散という複数のリスク分散を実現できるわけですので、リスクの本質とリスク分散手法を理解している人にとっては、大変リーズナブルな積立商品となるのです。


こちらから売り込んだのではなく、見ず知らずの初めて方から、こうしたご指名を受けたことで、少しづつ時代は進んでるらしいと実感することができました。
世の中、勉強している人はチャンといるのです。