独立FPの独白ブログ

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■ボブ・ディランのデビュー盤

Bob Dylan

Bob Dylan

遠い昔、大学生になったばかりの4月の初めに、はじめて買ったボブ・ディランのレコードは彼のデビュー盤である「BOB DYLAN」でした。
シンガーソングライターの大御所ディランの最初のレコードは、ほとんどシンガーとしてのアルバムで、オリジナルは2曲のみという意外なものだったのです。
残りの11曲は全てトラディッショナル・フォークやブルースで、ボブ・ディランはそれらをアコースティックギター一本とブルースハープでの弾き語りで通しています。


私は、このレコードを聴いてぶっ飛びました。そのギターテクニックのすさまじさ、ブルースハープの鋭さ、若干20歳とはとても思えない枯れただみ声と哀愁のこもった唄いっぷりでとにかくウマイ、なんだか参りましたという感じでした。
ボブ・ディランを最初に聞いたのがこのアルバムだったため、そして何度も繰り返し聴いたためか、私の中でのボブ・ディランのイメージはいまだにこのスタイルなのです。彼自身がどう思っていようとも、これがこの人の原点と私には思えるのです。


このときの強烈な印象を忘れられないファンが、後に彼がエレクトリック・サウンドを取り入れた時や「澄んだ美声」で唄った時に大いに違和感を感じてディランを非難したのも、まあ分からなくはありません。
アーティストは常に変貌し続けるものなので、本当はそういうところを含めてファンであるべきなのでしょうが。


しかし、音を記録する技術などなかった大昔とは違って、我々はレコードやCDで、その時代のその年齢のその演奏や歌をいつまでも聴くことが出来るのですから、実に幸せなことです。
30年以上を経て、この懐かしいアルバムのCDを購入しました。
懐かしの音源を聞くとそれだけでそれらを夢中で聴いていたあの時代を思い出すということはあるのですが、音楽自体は古さなど全く感じません。
(多くの曲は古い時代のトラディッショナルですが)


ギターも歌声もハーモニカもすべて編集なし、たった一人のそのままの音でこの迫力です。本当にボブ・ディランはすごい人です。