独立FPの独白ブログ

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■医療保険の選択肢(4:保障対象入院日数)


医療保険は1回の入院について何日までを保障対象とするかによって幾つかのパターンに分けられます。360日型、180日型、120日型、60日型などです。
対象期間が長いほど保険料は高く、短いほど安くなりますから、ここも思案のしどころです。


病気やケガで入院するとしたら一体どのくらいの期間になるのでしょうか。保険会社のセールス資料でよく使われる厚生労働省のデータなどを参考にしようとしても、そのどの部分に着目するかで見え方が変わります。平均入院日数は39日などというデータがありますが、あくまでもこれは全ての世代の平均なのであって、入院日数は世代が高くなるほど長くなっています。15〜34歳の平均入院日数は14日ですが35〜64歳では37日、65歳以上では53日と大きく変わります。


また、この平均入院日数は転院した場合や退院後再入院した場合を通算したデータではありませんから、実際にはこれよりも長いと見るべきでしょう。そして、なんといってもこれらは平均値と言う訳ですから、現実には3〜4日とか1週間の人もいれば、200日、300日というケースもあり、おおいにばらつきがあるわけです。


入院日数は病気の種類によっても大きく異なります。
急性心筋梗塞では25日、胃がんは40日ですが、脳内出血となると124日となっています。また精神疾患では平均310日というデータもあります。
私はこれまでに概ね160件以上の入院給付請求の実績があります。データを取ったわけではありませんが、印象としてやはり非常に多いケースは1ヶ月未満の入院です。
しかし、120日を超えて入院された方も無論おられます。原因は大腿骨骨折、乳がん、胃がん、白血病、うつ病などです。
例が少ないなのは事実ですが、滅多に無いことだからこそ、入院が長期化した場合はその家計への影響は大きく、費用の増大のみならず収入の減少の可能性も高くなるでしょう。長い療養のときこそ保険の出番という気がするのです。


医療保険において「1回の入院」というのはある同一の疾病やケガの入院であるということですが、例えば退院したがすぐにまた再発して再入院した場合なども一回の入院と見做します。(一般に退院後6ヶ月以内の再発による入院は同一の入院とされます。)
仮に入院から50日で退院して、半年経たないうちに再入院でまた50日入院したとすれば、合計100日となりますが、60日型の入院保険ではこういう場合でも合計60日しか給付金は受け取れません。


当然ながら保険料というコストとの兼ね合いなのですが、医療保険はできれば120日型にはしておいた方が良いのではないかというのが個人的見解です。
ちなみに給付日額5千円の終身医療保険で保険料60歳払いの場合、60日型の保険料が3040円であるのに対して120日型の保険料は3600円といった違いです。