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独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■医療保険の選択肢(3:解約返戻金の有無)

医療保険、特に終身医療保険の価格競争激化により増えてきた選択肢のひとつに解約返戻金を少なくする、あるいはゼロにするということがあります。こうした医療保険のメリットは安いということに尽きますので、今日はそのデメリットについて考えましょう。


医療保険は解約しないだろうという意見をよく聞きます。
大黒柱の死亡が家計にもたらす打撃は子供の独立などによって背負っているものが少なくなれば小さくなるが、入院や手術など長期療養によるリスクはむしろ年を取ると共に増してゆくから、医療保険は解約はしないだろう、従って医療保険は解約返戻金が無くて良いという考えです。


もっともな考え方です。しかし、それは、将来にわたって医療の世界の様々な状況が現在とあまり変わっていないという前提での話です。


現在の医療保険は基本的に入院或いは手術をした場合に給付が行われます。
医療技術の進歩や、社会保障制度の変革によって将来、入院して治療することがほとんど無くなってしまった場合には今の医療保険はあまり役に立たなくなります。もしそうなれば、新たな医療現場の事情にあった医療保険が登場してくるでしょうから、古い保険を解約して新しい医療保険に入り直すこともあるでしょう。
そんなときに、それまでに支払った保険料累計の5割、6割が解約返戻金として戻るなら、大変助かるということになりますね。解約返戻金の無い保険では保険料は掛け捨てでしかありません。


以前は手厚く保障されていた高齢者医療の制度がバブル崩壊後じわじわと変化して、高齢者の医療費負担が大きく増大したことから、数年前に契約した保障期間70歳までの医療保険を解約して終身医療保険に入り直したひとも最近少なくないのではないでしょうか。


また、医療保険の種類によっては解約返戻金相当額が死亡時に支払われるものがあります。この医療保険の場合は(前回の「死亡保障の有無」のテーマの際に触れたとおり)家計単位で見たお金の収支計算では結果的にお得ということになります。


将来を予測することが不可能である以上、このようなことにも目を向けて検討するようにして欲しいと思うのです。保険は目的を絞って選択することが大切ですが、同時に柔軟性ということも保険のひとつの機能なのだと捉えて考えるべきではないでしょうか。