独立FPの独白ブログ

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■桜の季節に景観を思う

「時代の流れ」住民笑顔
 「全国の景観保護運動を後押しする判断だ」――。国立マンション訴訟で30日、最高裁が都市住民の景観利益を認める画期的な判断を示したことを受け、結論では敗訴した原告の住民らは、判決後の会見で喜びに浸った。
 「橋がなかった所に、ようやく橋がかかった」。住民団体「大学通りの環境を考える会」代表で原告の石原一子さん(81)は会見で、感慨深げに語った。
 同種訴訟では、都市住民に景観利益があること自体を否定し、実質判断に踏み込まない司法判断が多かった。それだけに、景観利益を幅広く認めた今回の判断に「時代の流れを感じた」といい、「今日は、大学通りの桜が素晴らしい日です」と笑顔を見せた。


私の母校のすぐ南側に巨大マンション建設計画があることを知り、高校時代の担任であった校長先生(当時)に一報をもたらしてから、はやくも6年が経ちました。
このマンションの建つ大学通りでは数十年前にもマンション計画があったのですが、住民の熱心な活動の結果、2階建て住宅の建設に落ち着いたなどの歴史もあって、ここは国立景観運動の象徴的な場所でもあるのです。


「緑溢れる豊かな住環境」などとしてその地区の景観の良さを売り物にしたマンション開発は、それ自体が売りである景観を破壊するという矛盾も内包し、また、住んでいる旧住民と住み始める新住民の権利のぶつかり合いでもあり、国土の狭い日本では住宅建設の問題は未来永劫終わることがないでしょう。


思えば、ここから東へ約400mの我が家の隣接地にも5階建てのマンション計画があり、周辺住民の反対運動に私も加わっていたために、偶然この情報に触れたのでした。
我が家のほうの反対運動は、裁判にはならず最終的には和解して決着しましたが、その間に、建設会社の対応の仕方や、各地での反対運動の実態、行政の態度、市議会議員とその所属団体や政党の性格、議会の実態などなどの色々なことを知り、大変に勉強になりました。


最高裁で「違法な利益侵害とまでは言えない」として、晴れてせいせい堂々合法となったこのマンションですが、一時は一部違法とされて撤去せよとの判決の対象となったのが写真の桜の木々の上に見える部分です。
あの窓から国立の桜はどんな風に見えるのでしょう。