独立FPの独白ブログ

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■『野球』が勝った日!


国家の品格」を読み終えたばかりで「祖国愛」(国家の品格の著者は愛国心よりも”祖国愛”という言葉を意識して使っているそうです)というものについて考え直し始めた私にとっては、そんな矢先にこの出来事が起きたのは偶然とは思いたくありません。
出来事とはもちろん、今日日本中を駆け巡った「日本野球が世界一」という久々の明るいニュースです。本当にめでたいですね。


国内リーグの頂点を決める戦いをワールドシリーズなどと称して憚ることの無いアメリカを弾き飛ばしてしまったこの世界一決定戦です。その決勝戦は皮肉にもメジャーリーグ選手が日本人の2人しか居なかったというこの事実に、私はついついいろいろと考えてしまうのです。


最近の若い世代はさておき、中高年以上の日本人の心の中にはアメリカに対する畏怖や劣等感が確実に根を下ろしています。
そんな日本では、国の運命をゆだねるべき政権が、どうしたわけか「ブッシュのポチ」などと言われて平然としています。
これが今の日本人の実態なので、祖国愛とか国の誇りとか国民の一体感とかいったものは、お国の指導で教科書で教えて頂かないと分からないという時代であるらしいのも仕方ないことなのです。


この野球の大会を観ていて、感じたことのひとつに、アメリカと言うのはある見方をすれば「国」ではなく、一種の「会社」なのであろうということがあります。
国民の集合体である国という組織なのではなく、仕事を求めて、稼ぎを求めて、経済的成功を目指して各国から優秀な人材が集まってきて仕事をしている会社なのです。
(会社なのですから、なんでもかんでも利益追求優先なのは仕方が無いのです。〜ただし、利益追求の為にあらゆる努力をすることで質が向上するというメリットは勿論認めます)


アメリカ国内のゲームをワールドと称していた彼らが、より高い収益を売るためにプロモートした新規事業であるWBCは、会社から帰宅した人々がそれぞれの地元の名誉を賭けて戦った、非ビジネス的な魂同士の戦いになったとたんに、単なる会社であったアメリカは姿を消した。これは、破滅に追いやられつつある世界にとっての朗報と思えます。と言ったら言いすぎでしょうか?


アメリカという会社で教わったプロ意識や合理性や市場原理や演出力やマーケティング思想などを、「THANKS」とひと言お礼をいって、みんな自国に持ち帰り、これからはそれぞれの国であらためて頑張ってゆけばいいのではないでしょうか。
優秀な社員がみんな自宅に帰ってしまったあとのがらんとした会社の中で、当のアメリカ人はゆっくりと自分たちのアイデンティティについて考えてみればよろしい。


・・というようなことまで妄想しては、ひしひしと喜びに浸っている今夜なのです。
今回の日本野球の勝利に酔いしれた人達は、是非とも昨日紹介したあの祖国愛についての本「国家の品格」を読んで頂きたいと思うのです。


そんなことはさておき、多くの選手達がインタビューなどで「このチームのメンバーと別れるのが辛い」と口々に話すのを聴いて、またもや涙が溢れてくるのです。
スポーツっていいですね。