独立FPの独白ブログ

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②CIPというお見合い

  • CIPというお見合い

営業所長Nさんとの2時間半に及んだ面談の後、仕事の詳細な内容について2時間程の説明を3回聞くことになりました。こんどは私が保険会社の支社に出向いてゆきました。
この説明会はCIP(キャリア・インフォメーション・プログラム)と呼ばれるのですが、よくある入社説明会というのとはかなり異なり、先の営業所長とその上司である支社長との2人が私ひとりだけを相手に約2時間、それを週一ペースで3回にわたって行うのです。
生保業界の現状について、新興会社として業界にどんな姿勢で臨んでいるのか、報酬体系とその現実について、仕事と人生の関係について・・などなど内容の濃い6時間でした。


この説明会は単に会社の内容を説明するだけではなく、実は聞きに来ている人間の適正試験の性格を帯びています。なんと言っても、一般の会社員を未経験の「生命保険営業」、しかも馴染みの無い「成功報酬の営業」の世界に誘う訳ですので、やはり性格的な適正や仕事に対する姿勢など最低基準はあったのでしょう。
採用を決める側にも人生の針路変更に関わることの責任感もあるのですから、慎重に対応するのが当然です。


当時、所長が会社から期待されるのは優秀な人材を数多く採用すること。しかし、こつこつと積み上げてきた前職での地位や安定収入を投げ打っての転職なのですし、向き不向きもかなりある職業ですので、そう簡単に採用するわけには行かず、真面目な所長さんほど悩みも多かったのではないかと想像できます。


数年後に社長が交代して、大々的な拡大路線になってからは、このCIPでじっくりと人を見る姿勢が薄れてしまって、短期間の大量採用に突っ走った支社もあったように聞いています。そのころから、この会社の雰囲気は少しづつ変化し始めたと私は思っています。
中身の充実と規模の拡大はプラスのシナジー効果を生むこともあり、相反関係になることもあります。どんな業界でも同じですが、理想を追求し続ける「エクセレント・カンパニー」であり続けることのなんと難しいことか・・・。


(まだ続きます)