独立FPの独白ブログ

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■医療保険の選択肢(2:死亡保障の有無)

保険業界ではここ数年、医療保険の競争が激しく展開されています。
競争といっても実情は単なる値引き合戦、安売り競争でしかないという批判も聞かれるほどで、とにかく保険料を安くするならなんでもあり、という印象すらあります。


医療保険の保険料を下げる方法は幾つかありますが、その一つに「死亡保障を少額にする」または「死亡保障をゼロにする」というのがあります。
医療保険は入院や手術の保障をする保険だから死亡保障は無くても良いでしょう」という理屈は確かにうなずけるように思えます。他の保険で保障されているので医療保険に死亡保障は必要ないという考え方には一理あります。


しかしです、いつも言っているように保険の効用はそれを利用するひとのそれぞれの考え方や家庭事情などによって千差万別、ケースバイケースであり、このような考え方は正しい考え方ではあっても、ひとつの考え方であるに過ぎません。
医療保険には死亡保障は無くても良い、という考え方があると同時に、死亡保障もついていたほうが良いという考え方もあるのです。


生命保険の被保険者が高度障害状態になった場合には、保険金の支払い対象となるためにその保険は消滅します。(勿論高度障害保険金を受け取れます)
しかし、そうなってから数十年経って死亡した際には受け取れる保険金はないということになります。

もしもその人が死亡保険金のある終身医療保険に加入していた場合には、高度障害に該当した時点以降の保険料支払いが免除され、医療保障自体は継続でき、そして将来死亡した時にちゃんと保険金も支払われるのです。


また、仮に心臓発作で倒れて、入院給付も手術給付もまったく受け取ることなく急死した場合などには、死亡保障の無い医療保険では保険料を支払っただけで終わるわけですが、死亡保障付きの医療保険なら、それなりの効果を果たして終わることになります。


保険料が安ければ何でも良いというものではないという一つの見本の話しです。