独立FPの独白ブログ

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■志の輔落語

もう10年以上も前にラジオの文化放送で平日放送していた朝番組「志の輔ラジオ〜気分がいい」(当時若手だった水谷加奈アナのトンデル感じも結構新鮮でした)をよく聞いていましたが、志の輔さんの落語を本格的に聴いた事がありませんでした。
先日WOWWOWで録画しておいた2004年のライブをようやく観たのですが、かなり感動ものでした。


新作の一つ目はちょっとシュールな香のする、コブ取り爺さんなど昔話をいじるネタで軽く笑わせてくれます。
二つ目の新作は現在の人情噺といえそうなかなりの大作です。
ママさんコーラスの面々とコンサート会場である公民館の職員とのやり取りが、ひょんな行き違いから大変なドラマへと発展するのですが、その場面場面で展開される会話は普通の現代感覚であるのに、きちんとした古典落語の雰囲気をもかもし出していて結構な見応えでした。


そして、最後の古典落語、「浜野矩随」(のりゆき)がこれまたじっくり聞かせる人情噺で、芽の出ない二代目職人がその周りの人々の愛によって目覚めてゆく感動巨編です。
すこし、引っ張りすぎの感じはありましたが、カル〜イ乗りのネタばかり見せられている我々には時にはこの濃い感じも必要かなと思います。

3題ともに充分に楽しめましたが、もう少しお声が良ければと思ってしまう場面も散見されました。 のどを守るためにタバコをやめるといっていた志の輔さんですが、最近はどうなのでしょうか。どうしたって、うら若き乙女の声は不可能ですもんね。


それにしても、志の輔さんの語り口の端々に談志師匠の顔が浮かぶことが多く、やはり落語と言うのは伝承芸能なのであって、口伝によって代々引き継がれてきたものだということを再認識させられました。
最近頻繁に聞いている志ん朝師匠の落語もやはり稀代の名人志ん生師匠の風を時々感じます。当たり前といえばそれまでかもしれませんが。


志の輔師匠は超真面目な談志師匠の愛弟子だけあって、やはりとっても真面目に落語を現代に根付かせようと努力されています。その志の輔師匠ももう52歳なんですね。

どうか未来永劫、日本の大いなる芸能文化として、大衆娯楽として、落語が伝承され続けますように・・・。 みなさん、日本人なら落語を聞いてくださいね。誰でもいいですから。