独立FPの独白ブログ

この世界を少しでも美しい姿で後世に引き継ぎたい!

■契約者貸付という機能

生命保険は種類によって解約返戻金が貯まります。(わざわざ解約返戻金を無くしたり少額にしている商品は別です)
そして、その解約返戻金の金額の一定範囲内で資金の一次利用ができる場合があり、これを契約者貸付といいます。


例えば、死亡保険金が2千万円の終身保険で解約返戻金が300万円であるとします。何かの資金需要が生じてこの保険を解約すればもちろん300万円が受け取れますが、それでは2千万円の保障が完全に無くなってしまいます。そこで、この契約者貸付制度を利用すれば、270万円までの資金を調達できますが、保険自体は有効に継続します。
貸付継続中に死亡した場合には、死亡保険金から貸付金とその利息は差し引かれることになりますが、保険を解約してしまうよりはこの方が安全な選択でしょう。


金利は契約している保険の予定利率に応じて色々ですが、概ね銀行などの無担保フリーローンなどよりは低いはずですし、少なくともサラ金よりはかなり低い利率です。
契約者貸付は特に返済期限が決まっているわけではなく、ついつい金利が嵩んでしまうというデメリットがありますが、キチンと計画的に利用するなら悪い制度ではありません。


たまたま、今日はあるお客様から緊急資金用に貸付のご希望があって手続きのために訪問したことと、数年前に貸付を利用された別のお客様の返済の問い合わせがあったので、ご紹介することにしました。

解約返戻金の貯まってゆくタイプの終身保険は、一生涯の保障で安心というだけでなく、こうした副次的なメリットもある、なかなかの保険なのです。