独立FPの独白ブログ

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■ライブドア・ヒューザー・牛肉

ライブドアの強制捜査のタイミングについては、姉歯ヒューザー耐震計算偽装問題が政界に飛び火するのを覆い隠すために、このタイミングでぶつけたのではないか、という穿った見方も一部にはあるらしいです。


戦後長期にわたって築かれた建設業界を中心にした政・官・財の癒着の構造が耐震偽装問題をきっかけに政権中枢まで巻き込んだスキャンダルとなるよりは、ホリエモンという有名人をつるし上げることで愚民、元へ、国民の目線をそらす事のメリットは無くは無いかもしれません。


・・・などと思っていた矢先に、またまた政権を揺さぶるアメリカ産牛肉のイイカゲン輸出問題が発生しました。
もはやこれは、いづれかの勢力の画策によってそれぞれの事件が表ざたにされたなどという話しではなさそうです。
抑えようとしても、先延ばしにしようとしても、どうしても噴出してしまうほどに、色々な問題が地下のマグマのごとく沸騰しつつあるというのが正解のように感じます。


つまり、ここ数年で勢いを増しているある方向へのうねりが、生来の日本人気質にとっては少々無理のある動きであり、その無理が時に応じて、そこここのスキマから噴出している、といったイメージが浮かぶのです。
無理のあるうねりとは、言うまでもなく「日本社会のアメリカ化」です。


HPのコラムでも書きましたが、私は幼少期からつい最近に至るまで、「アメリカに追いつくことこそ幸福なり」の感性を誰からとも無く植えつけられて育ってきました。 そのことの良し悪しは別としても、同年代の人にはこの感覚は分かるはずです。 そして最近私は、アメリカに無批判にすり寄るのは非常に問題があることと気が付いたので、大いに過去を反省して色々と勉強をはじめたところです。


少なくともアメリカに近づくことで日本の利を得ようとすることは、ひとつの考え方、ひとつの方法論であるに過ぎず、それを推進しようとする勢力に対抗して、それはまずいと明言する勢力があって、なんとかバランスが取れていたのでしょう。
その対抗する者たちを葬ってしまうような動きが昨年にひとつのうねりを作りましたが、そうしたことが、繰り返しますが、日本人の社会にかなりの摩擦を発生させ、矛盾を蓄積させているのが最近の状況なのではないでしょうか。


典型的なサラリーマンから脱サラし、外資系生保のフルコミッションの世界に入り、競争社会を勝ち抜いて上位5%に生き残ることこそがビジネスマンの生きる道だと信じた時期もあった私は、今、実は大いに反省していますし、多くの人達の誤解を解く必要性を強く感じているのです。


カネがカネを生み、誰も救わないのに利益を独占することのできるシステムを、異常と思わずに賞賛するなど、よくよく冷静に考えてみれば、どこかおかしいと気が付くはずです。
「本来経済とは人間ひとりひとりの暮らしのこと」なのだと内橋克人氏は力説しています。
アメリカに原爆を落とされて破れ、アメリカの手で民主主義国家に育て上げられ、アメリカの都合で再軍備をし、アメリカの力を背景に世界一の経済大国にすらなった日本の過去と現在と未来について、一人でも多くの日本人がたまには真剣に考えて欲しいと切望します。


ライブドアの事件も、姉歯ヒューザー事件も、米国産牛肉のイイカゲン問題も、全てはつながっているのです。


ちょいと唐突ですが、戦後世界においての日本の地位を獲得しようとし続ける人達の寄って立つ主義、主張、それを支える社会システムについて考えるきっかけとなる宮台真司の本をご紹介します。



絶望から出発しよう (That’s Japan)

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