独立FPの独白ブログ

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■銀行で生命保険を売っている

今日は生保の新契約手続きのために銀行の窓口に行きました。店内には色々なパンフレットが置かれたり販促のポスターが貼ってありますが、その中に終身保険(一時払い)の案内ポスターを見つけた時には少なからぬショックを感じました。ついに本当に始まりました。


18年近くにわたって生保の販売に携わってきた者としては、唐突に銀行が生命保険を販売し始めた事実を具体的に見せられては、どうしても違和感を感じざるを得ないのです。
これは理屈ではなく、感覚の問題です。


生命保険というのはプロでなくても売れるものなんだろうか? 或いは最近の銀行の人は経済のプロであり為替のプロであり、銀行業務に熟達している上に、株式投資のプロでもあり、資産運用アドバイスのプロであり、尚且つ生命保険のプロでもある・・・本当に優秀な金融商品のプロがそんなに簡単に育つのだろうか・・・と首を傾げるばかりです。


しかし、しかしです、生命保険営業の現場の実態をよくよく思い起こしてみれば、つい前の月までは乗用車をバリバリ売っていた車のセールスマンが、急に転職してたった一ヶ月の研修で生命保険のコンサルタントですと保険を販売し始めたりするのがこの世界の常識です。 ハローワークから出てきたひとを勧誘して、生保のプロアドバイザーなどといってセールス現場に送り込むのが日常茶飯事らしいのこの業界です。
私の疑問は、余り意味の無い問いであるような気がしてきました。


商品についてあまり良くわかっていない人達が、商品についてほとんど分かっていない人達を相手にして、商品の本質をあまり深くは考えずに販売している、などという業界がもしもあるとしたら、その商品は本当に価値のある商品でしょうか?


なんて思ってしまって、とりあえず銀行の保険販売についてコメントする気が失せました。
そういえば今日の夕刊に「楽天が損害保険会社を設立」と出ていましたし、だれが保険を売ろうが、どんな保険を売ろうが、別にいいじゃない、買う人がいるんだから・・・ということなのでしょうか?


私はFPとして自信をもって推奨できる金融商品を常に探し続け、顧客のニーズに対して適切な手段だけをご紹介できるように利用者との良きコミュニケーションを図ってゆくつもりです。
そして、そんな私を選ぶのも、銀行で保険を買うのも、楽天の通販で買うのも、自由なのです。うん、それでイイんです。 それが自由主義経済ってもんですから。 健全にして自由な競争が日本を成長させるんだそうだから。改革なくして成長なし・・なんですから。