独立FPの独白ブログ

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■国立市マンション問題の判決

東京都国立市で高さ44メートルのマンションを建設した明和地所が「着工後に高さ20メートルに制限する条例を制定するなど妨害された」として、同市と上原公子市長に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。
根本真裁判長は、同市に4億円の賠償を命じた1審・東京地裁判決を変更し、市の賠償額を2500万円に減額した。 判決理由で根本裁判長は「市長が市議会で違反建築物と答弁したり、東京都に水道などを供給しないよう働きかけたことは、行政の中立性を逸脱し、異例かつ執拗(しつよう)」と指摘。「社会通念上の許容限度を超えており、明和地所の営業活動を妨害し、信用を棄損した」と述べた。 ・・・これ、新聞記事です。


行政は市民の立場を守るのが仕事ではなく、中立なのだそうです。大変ですね。
業者も権利を守るべき市民です。という理屈ですよね。分かっております。


私は国立市民なのですが、以前に住んでいた家のすぐそばにマンションの建設計画が持ち上がった際に、ご近所の住民達と共に反対運動に加わりました。
おそらくは反対運動のないマンション建設などありえない、というほどにこの業界では住民の反対など日常茶飯事であろうと思います。
(その最中に、冒頭の事件が起きたのです。)
マンション業者はそれがお仕事ですので、慣れたものですが、近隣住民にしてみれば、一生の住処である自宅の環境が一変してしまう大変なできごとです。私などは借家なのであって、どうしても嫌なら引越しをすればなんとかなりますが、結構な資金を投入して一戸建てを購入した人々にとっては、これは迷惑以外のなにものでもありません。


マンション業者は、「自然と文化の調和する街」などといって国立の住環境を売り物にしていながら、自らがその環境をじわじわと破壊します。まあ、たんなるお金儲け、ご商売のひとつでしかないのですから、文化だの環境だのという言葉はもちろん、上っ面だけのセールストークにすぎません。建物の周りに申し訳程度の植え込みなど作っては、環境に配慮した快適空間の創造、などと訳の分からんことを平気でのたまうのです。
なんども業者〜住民の会合(説明会とかいうのです)に出席して、この業界のひと達について私が感じた印象は、とてもここには書きたくないような非常に否定的なイメージでした。


土建国家といわれるわが国では、土木、建築、建設に関しては、住民とか市民とか国民とかは全てをガマンすべきなのです。 いちいち地元住民のエゴに斟酌していたのでは、いつまで経っても新幹線も高速道路も大規模ニュータウンもできやしません。
市民派イメージで当選してしまった女市長などの身勝手を許してはならないのです。
というわけで、冒頭の判決をした裁判官氏は、日本が本質的にどのような国であるのかを、少し柔らかい表現にしつつ、また決して業界の味方などではないという雰囲気を醸し出しつつ、国民にお示しになったと言うことでしょう。


マンション業者の皆様、どうぞこれからもみどりと文化の街・国立の環境をせいぜい利用してお稼ぎ下さい。いやなら出て行けということなのでしょう。
しかし、本音を言えば、奇麗事を並べて格好をつけたこんな商売のやりかたを止めて、正直に「すんませね、こっちも商売ですので、違法で無い限りはとことんやらしてもらいます。」、と正直に居直る方がまだマシと言いたいところです。
今の日本では、商売は法律さえ侵さなければなんでも有り、が最近の流行なのですから・・・・。


それにしても、賠償額4億円という判決と2千5百万円というとんでもなく掛け離れた判決が出るのですから、裁判なんていうものは一般市民の感覚を大きく超越した哲学的世界であり、とても凡人には理解不能なのです。


この手の話しは、どうもに虚しくなるばかりなのであまり触れたくないのですが、日陰となった学校が母校でもあるため、ついつい書いてしまいました。 ああ、嫌だ嫌だ。