独立FPの独白ブログ

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■診療報酬もカットするし

ネットで見つけたニュースに微妙な違和感を覚えました。
政府、与党は、公的保険から医療機関や調剤薬局に支払われる診療報酬の来年度改定で、引き下げ幅を過去最大の3%台前半とする方向で調整に入った。今回の医療制度改革で、高齢者に負担増を求めることから、2002年度の2・7%を相当上回る下げ幅とすることで医療給付費抑制の姿勢を示さなければ理解が得られないと判断した。(最近の新聞記事の要約)・・・この記事を読んで違和感を感じないですか?
医者の給料も下げるんで、負担アップもガマンしてね・・・ですかね?よく分かりませんが。


社会保険制度の国民負担増に関して多くの善良な国民は次のように考えているでしょう。
《保険料を上げる前に、ドンブリ勘定の無駄な公費支出を洗い出し、安易な天下り癒着を切り、不良資産を整理して徹底的に無駄遣いを排除して、それでもこれだけの不足が生じるので、どうか国民の負担増を御容認頂きたい》と真摯な態度で語りかけてくれれば、我々国民も理解できるし協力しますよ・・・と。


しかし、文頭の話しでは、《保険料負担や自己負担額をアップするだけでは理解が得られないので、給付の方も減らします》と言っているような気がするのですが違うでしょうか?
値上げするのが気に入らないって? だったら、販売店へのマージンも削りますので、それで分かってくれるよね。きついんだよ、実際。・・というケツまくりですか?
まあ、こんなことをごねて見ても、給付は減り、負担は増えるのは絶対確実なので、我々はそれを受け止めるしかありません。


診療報酬を減らすと、現場ではどんなことが起こるのでしょう。
必要な治療さえ受けられないケースが生じたり、報酬の高額な不必要な治療を施されたり、昼夜を問わず頑張っている看護士さんたちの労働条件が更に過酷になったり、つまりいつものように「痛みは立場の弱いほうに集中する」のではないでしょうか。


実際は医療機関の方にも収益アップを目指すがために、必要以上の薬を投与したり、本当は切らなくても済む患者に手術を施したりということは多分あると思います。しかし、こうした給付カットは、苦労しながらもマトモな良心的な診療を懸命に行っている医療機関にも一律に影響してしまいます。
報酬減で体力の弱った医療機関をいつのまにか外国資本が乗っ取って、外資系医療機関の登場・・・ということも容易に想像されるように思えます。
まあ、改革とは多分そういうことなのですから受け止めるしかありません。


まさに、誰のための改革か? ですね。



誰のための改革か

誰のための改革か