独立FPの独白ブログ

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■銀行の押し売り

三井住友銀行融資先に金融商品の購入を実質的に強制したとされる問題で、公正取引委員会は同行に対し、今後融資先に金融商品を販売する際に「融資とは関係のない取引」であることを文書などで明確に示すことを求める方針を固めたもようだ。公取委は近く、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で排除勧告する方針で、勧告の主文に盛り込むとみられる。 ・・・といニュースが新聞で報道されています。


要するに銀行が融資先の中小零細企業などに対して、その強い立場を利用して金融商品を売りつけた、ということなのです。 ほとんどヤクザさんの押し売り同様、大声を張り上げることが無いだけで、実質は恫喝商法であり、実にどうも恐ろしい限りなのです。
いくら文章で関係ないなどと書いたところで、現場での立場関係は変わりませんよね。
強い立場の側から何かを頼まれれば(社長、是非ご検討下さい。など…)他に何も言われなくても無言の圧力を感じるのが当たり前でしょう。
そもそも預金、貸付以外の商品を銀行が販売するということは、こういうことなのだと私は思います。


今回問題となった商品は主に「金利スワップ」といわれる商品らしいですが、つい先日NHKの「クローズアップ現代」で取り上げられた「変額年金保険」だって、同じように立場を利用した圧力販売のネタとなってゆく可能性があると私は懸念します。
投資信託しかり、外貨定期預金などもおなじことでしょう。
証券会社からある銀行に転職した営業マンが、暫くして元同僚に、「証券会社よりこっちの方がノルマがきつい」と語ったという話を聞いたことがあります。


数年前に投資信託販売の権利を得て以来銀行さんは、変額年金保険、ガン保険など一部の生命保険を売れるようになり、そして2007年にはいよいよすべての生命保険商品の販売権利を獲得する予定です。
生命保険の営業は掃いて捨てるほどいるのに、そこに腕利きの銀行マンさんまで算入するのです。消費者の環境はこれによってどう変わるのでしょう。


既得権が取り払われ、新たに参入した企業によって競争が激化して、市場原理、競争原理が働いてよりよいサービスが提供されることとなり、国民に大いに利益となる、と言う説明をきっと首相はするのでしょうね。


規制緩和は本当は誰のためにあるのか、我々市民はよおく考えておくべきです。
規制緩和で新たに権利を得たひと達がどんなひと達なのか、我々はよおく見極める眼力をつけておくべきです。


所謂「改革」路線では、今後このような方向に色々なものが変わってゆきます。自己責任という言葉を誰もが他人事とは思えなくなる時代にもう既に突入しているのです。
自分の生活と財産は自分で守るしかない世の中にどんどんなって行くのです。
できるだけ早く、金融リテラシーを身につけましょう。 そうしないと、身ぐるみはがされちゃいますよ。


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